人材育成デジタルスキル標準「サイバーセキュリティ」の人材育成
2023/06/30日本のDX人材不足をうけて、企業におけるDX人材育成の指針となる「デジタルスキル標準」では、ビジネスアーキテクト、デザイナー、データサイエンティスト、ソフトウェアエンジニア、サイバーセキュリティの5つの人材類型が策定されています。
前回の記事デジタルスキル標準「ソフトウェアエンジニア」の人材育成では、ソフトウェアエンジニアの人材類型で定義されているロールや、求められるスキルについて触れてきました。今回は、人材類型「サイバーセキュリティ」について触れていきます。
目次
人材類型「サイバーセキュリティ」
デジタルスキル標準の「サイバーセキュリティ」では、「DX推進において、サイバーセキュリティリスクの影響を抑制する対策を担う人材」という定義がされています。
サイバーセキュリティ人材には、DX推進に伴うた情報漏洩などのインシデントを防ぐためのセキュリティ対策が求められています。その際に、利便性の低下などを踏まえたうえでバランスを考慮した対策が求められます。
また、サイバーセキュリティ人材は、高度な専門性を持つ人材だけでなく、企業において他業務と兼務しながらセキュリティ対策を行う人材が想定されており、専門家とのコミュニケーションや、DX推進におけるセキュリティ対策を実践するスキルが求められています。
スキルがソフトウェアエンジニアのロールには、次の2つがあります。
サイバーセキュリティマネージャー
DX推進に伴うサイバーセキュリティのリスクを検討・評価し、そのリスクを抑制するための対策を主導する役割を担います。具体的な業務としては以下のようなものが定義されています。
- DX推進に伴うサイバーセキュリティ、セーフティ、プライバシー保護に関するリスクを評価する
- リスクとリターンのバランスを考慮し、サイバーセキュリティの戦略や対策を策定する
- サイバーセキュリティのリスクを抑制するための対策や、実施状況の監査を行う
- デジタル関連の業務などで発生するセキュリティインシデントへの対応を行う
このロールにおいては、セキュリティマネジメントや技術面における知識、クラウド・インフラ周りやAI・データ活用については高い水準が求められます。一方で、ビジネス戦略やマーケティング、開発系の技術については説明ができるレベル、あるいは、役割や関連性の理解ができるレベルの知識で十分とされています。
このロールに効果的なカリキュラムの一部を紹介します。
-
サーバー・アプリケーションのセキュリティ対策研修
サイバー攻撃やセキュリティについての基礎知識はもちろん、サーバーやアプリケーション側での具体的なセキュリティ対策について学習します。セキュリティが堅牢なシステム開発が行えるようになります。 -
AWSネットワーク&サーバー研修
AWSの基礎知識から、ネットワーク設定、サーバー接続、セキュリティなどの各種設定を学ぶAWS研修の内容に加え、ネットワークやLinuxサーバーの基本について学習する研修です。セキュリティ対策に欠かせないクラウド・インフラ周りの知識を身につけます。 -
データ分析基礎研修
プログラミングで、社内外のcsvやエクセルデータを読み込ませて、加工、集計、グラフ化するシステムの構築方法と、分析方法について学習。取り込んだデータから仮説を立てて問題分析する演習も行います。
サイバーセキュリティエンジニア
DX推進に伴うサイバーセキュリティのリスクへの対策や運用・保守を担います。具体的な業務としては以下のようなものが定義されています。
- DX推進に伴うサイバーセキュリティのリスクに対して、セキュリティ製品の導入や実装を行う
- セキュリティ製品やサービスの運用管理を行う
- デジタルを活用するにあたり、セキュリティに関してシステムやサービスの設定などの変更管理を行う
- 業務のデジタル活用におけるパフォーマンス測定や脆弱性対応を行う
このロールにおいては、セキュリティマネジメントや開発系の技術面における知識において高い水準が求められます。一方で、ビジネス戦略やマーケティング、データ活用については説明ができるレベル、あるいは、役割や関連性の理解ができるレベルの知識で十分とされています。
このロールに効果的なカリキュラムの一部を紹介します。
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サーバー・アプリケーションのセキュリティ対策研修
サイバー攻撃やセキュリティについての基礎知識はもちろん、サーバーやアプリケーション側での具体的なセキュリティ対策について学習します。セキュリティが堅牢なシステム開発が行えるようになります。 -
AWSネットワーク&サーバー研修
AWSの基礎知識から、ネットワーク設定、サーバー接続、セキュリティなどの各種設定を学ぶAWS研修の内容に加え、ネットワークやLinuxサーバーの基本について学習する研修です。セキュリティ対策に欠かせないクラウド・インフラ周りの知識を身につけます。 -
ITエンジニア総合研修
システム開発のワークフローを把握したうえで、開発言語やAWSなどの関連技術のスキルを習得。新人エンジニアを戦力化します。要望に応じて使用する言語や、開発演習の内容を含めることもできます。
インターネット・アカデミーでは、さまざまなテーマの研修や、貴社のご要望に合わせたカスタマイズもできます。デジタルスキル標準に沿って人材育成を行いたい方は、お気軽にご相談ください。
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この記事の執筆者
インターネット・アカデミー ITビジネスサプリ編集部
インターネット・アカデミーは、IT研修・ITトレーニングなど法人向け研修サービスの提供と、就職・転職などの社会人向け通学制スクールの運営を行っている教育機関です。グループ企業を含めると、「制作」「人材サービス」「教育」の3つの事業のノウハウをもとに、ITビジネスを行う現場担当者の皆様にとって役立つ情報を発信しています。
監修者
インターネット・アカデミー 有村 克己
「カシオ計算機」「小学館」などの大手企業研修をはじめ、神奈川工科大学やエコーネットフォーラムでの講演など、産学連携活動にも従事。エコーネットコンソーシアム「ECHONET 2.0技術セミナー検討WG」委員。
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