人材育成AI人材に求められるスキルとは?
2023/04/23
近年、AI技術の急速な発展により、様々な産業や業務においてその有用性が注目されています。特に、IT産業を中心にAIを活用した新しいビジネスモデルやサービスが次々と登場し、ChatGPTなどの生成系AIなどは特に注目を集めており、大きな影響を受ける業種や職種もあります。
これに伴い、AI人材の需要が急増しており、企業においてもAI人材の確保が課題となっています。
しかし、一方で「うちの会社にはAI人材は必要ない」という考えを持つ経営者や人事の方も少なくありません。また、「AIが重要だとは分かるけれど、社員がどの程度の知識を身につければいいのかイメージがわかない」という疑問を抱える経営者や管理職の方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、AI人材の需要の高まりと、AI人材に求められるスキルについて紹介していきます。
目次
不足するAI人材
経済産業省が発表している「IT人材需給に関する調査」では、AI人材の需給のバランスや現状の課題が明らかにされています。まず、AI人材の需要についての調査結果を見てみましょう。経済産業省の推計では、AI人材の需要に対して、2018年時点では3.4万人が不足しているのに対し、2025年には最大で9.7万人、2030年には最大で14.5万人が不足すると予想されています。
AI人材の育成に関する教育プログラムや研修の充実度が十分でないことや、AI人材の採用における条件やスキル要件の明確化の課題があると考えられます。また、AI人材の育成には時間やコストがかかるため、企業が迅速にAI人材を確保することが難しいといった要因もあります。
そもそもAI人材とは?
AI技術は、自動運転や医療、製造、金融などの幅広い分野での活用が期待されており、さまざまな分野において技術革新や新たなビジネスモデルの創出にAI人材は欠かせません。また、業務における生産性向上を図り、企業の競争力を高めるためにもAI活用は欠かせません。
それでは、どのような人材が必要なのでしょうか?
同調査では、AI人材については「AI研究者(AIサイエンティスト)」「AI開発者(AIエンジニア)」「AI事業企画(AIプランナー)」「AI利用者(AIユーザー)」に区分されています。
AI研究者
AI技術の研究・開発を担います。新しいアルゴリズムやモデルの開発を行い、AI技術の改善や新しい技術の導入を追求します。また、AI技術の最先端の動向を追い、技術の進化を見据えた研究を行います。
想定される必要スキル
- AIの基礎理論やアルゴリズムに関する高い専門知識
- Pythonなどのプログラミング言語を使った開発スキル
- 数学的な知識(線形代数や確率・統計など)
- 問題解決能力や論理的思考能力
- 研究開発の経験やプロジェクトマネジメントのスキル
AI開発者
AIシステムの設計・開発を担います。AI技術を実際にビジネスに適用するためのシステムを開発し、運用・改善を行います。プログラミングスキルや機械学習の知識を持ち、AIシステムを効果的に開発・運用する能力が求められます。
想定される必要スキル
- AIの基礎理論やアルゴリズムに関する高い専門知識
- Pythonなどのプログラミング言語を使った開発スキル
- 機械学習やディープラーニングのフレームワークを活用するスキル
- データベースやデータ処理の知識
- システム設計やアプリケーション開発の経験
AI事業企画
AIを活用した新たなビジネスモデルの企画・立案を担います。AI技術の市場動向やビジネスニーズを分析し、AIを活用した新たなビジネスチャンスを見つけ出します。また、法律・倫理などの観点からもAIの活用を検討し、事業計画を立案します。
想定される必要スキル
- AI技術や市場に関する幅広い知識
- ビジネス戦略やマーケティングの知識
- プロジェクトマネジメントのスキル
- ビジネスモデルの設計や事業計画の作成経験
- 法律や倫理の知識
AI利用者
AIを用いたソフトウェアやシステム、アプリケーション等を適切に活用できる人材です。経済産業省の推計の対象からは除外されていますが、こちらについてはすべてのビジネスパーソンに求められる素養になるでしょう。ChatGPTを業務活用するためのリテラシーなどもここに含まれます。
役割別のAI人材育成に役立つ教育プログラム
このように、AI人材といっても、役割によって求められるスキルセットは変わってきます。自社に必要なAI人材の種類を見極め、役割にあった採用計画・育成計画を立てると良いでしょう。インターネット・アカデミーでもそれぞれの役割にあった研修があります。
AI人材の 種類 |
効果的な教育プログラム |
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AI研究者 |
プログラミングやAIに関連する数理知識などを学習する研修が効果的です。
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AI開発者 |
AIのシステム開発で活用するPythonなどの開発言語やサーバー、AWSなどの研修が効果的です。他言語での開発経験があるエンジニアであれば、比較的短期間での育成が期待できます。
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AI事業企画 |
AIのビジネス活用や、DX戦略立案に関する知識や、データ分析などの知識を身につける研修が効果的です。
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AI利用者 |
自分の業務でAIツールやサービスを活用したり、自社の業務にサービス導入するうえでの知識を身につける研修などが効果的です。
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インターネット・アカデミーでは、お客様の状況や要望に合わせたAI人材育成の研修を提供しています。AI人材育成を検討している方は、お気軽にご相談ください。
この記事の執筆者

インターネット・アカデミー ITビジネスサプリ編集部
インターネット・アカデミーは、IT研修・ITトレーニングなど法人向け研修サービスの提供と、就職・転職などの社会人向け通学制スクールの運営を行っている教育機関です。グループ企業を含めると、「制作」「人材サービス」「教育」の3つの事業のノウハウをもとに、ITビジネスを行う現場担当者の皆様にとって役立つ情報を発信しています。
監修者

インターネット・アカデミー 有村 克己
「カシオ計算機」「小学館」などの大手企業研修をはじめ、神奈川工科大学やエコーネットフォーラムでの講演など、産学連携活動にも従事。エコーネットコンソーシアム「ECHONET 2.0技術セミナー検討WG」委員。
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