人材育成企業が抱えるDX化のよくある悩みと人材育成の方法
2023/01/20インターネット・アカデミーは「デジタル人材育成支援EXPO」に出展し、多くの経営者や、人事・教育担当の方からデジタル人材育成についてのご相談をいただきました。
今回は、多くの企業が抱えているDX化の悩みや、人材育成へのアプローチを紹介します。
目次
DX化のよくある悩み
経済産業省のレポートでは、2030年には最大79万人のIT人材が不足すると予測しているように、日本全体でIT人材が不足しているため、どこの企業でも人材の採用は難しくなっています。
エンジニアのような開発ができる人材はもちろん、社員のITリテラシーにおいても課題を抱えている企業が多いようです。そのため、システム開発や人材不足が原因で、DX推進が進まなかったり、ITベンダーとのコミュニケーションがうまくいかなかったり、外注費が過剰にかかってしまう、IT人材へ業務の負荷が集中するなどの悩みにつながっています。
実際に、「デジタル人材育成支援EXPO」では、次のような悩みを抱えている企業の担当者の方から多くのご相談をいただきました。
企業が抱えるDX化についての悩み
- エンジニアなどのIT人材を採用できない
- ITリテラシーが低い社員が多く、デジタルツールの導入や業務フローの見直しが進まない
- ITベンダーにシステムを発注しているが専門用語がわからず、金額も割高になっている気がする
- 上司からDX化を進めるよう指示があったが、具体的に何をすればよいか誰もわからない
- システム部門が社員のパソコン相談窓口になっていて本業に集中できない
DX推進のためのデジタル人材の育成
DX推進が進まない企業の多くは、社員のITリテラシーが低いことに起因しているケースが多いようで、場合によっては社内で抵抗勢力が生まれてしまい、社内調整もままならないということもあります。
DXを進めるためには、まずは社員のITリテラシーを高め、DX化への理解を得られる環境を作ると良いでしょう。社員のITリテラシーを高めるための教育を行う場合、対象となる社員の職種や、現在の自社の状況にあわせて行うとよいでしょう。
社員の役割や職種にあわせたテーマの設定
たとえば、DXには大きく3つのフェーズがありますので、自社のフェーズにあったテーマの教育を行うとよいでしょう。
役職 | 求められる役割 | 学習する内容 |
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経営者 役員 |
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経営者や役員などは、自社のDX戦略を描くための知識が必要です。DXの潮流や、関連するテクノロジー、他社におけるDX戦略の事例などが例として挙げられます。 |
管理職 |
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自部門でのDX化を進めたり、他の部門と連携し社内の課題を解決する役割が求められます。システム導入や改修にあたりITベンダーをマネジメントするスキルや、チームメンバーからの提案に適切な判断をするためのIT知識などを学習するとよいでしょう。 |
中堅社員 |
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システム開発やデジタルマーケティングなど、現場の実務を行う社員の場合、専門スキルの向上や、関連するIT知識を学習するとよいでしょう。たとえばデジタルマーケティング担当者が、AIやデータ分析スキルを身につけるなどが考えられます。 |
若手 新入社員 |
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若手社員や非IT職の社員のIT・DXリテラシーを高めることで、DX推進がしやすくなります。体系的なITリテラシーの習得や、PC操作が苦手な社員に向けたPC基礎、Office基礎などの研修も有効です。 |
自社のIT活用状況に合わせたテーマの設定
たとえば、DXには大きく3つのフェーズがありますので、自社のフェーズにあったテーマの教育を行うとよいでしょう。
フェーズ1:デジタイゼーション
社内の情報のデジタル化ができている状態です。紙で管理していた情報をデジタルに移行したり、ITツールを活用して業務効率化を図るなどの取り組みを行います。このフェーズでは、社員のITリテラシーを高めたり、業務効率化を促進するような研修が有効です。
フェーズ2:デジタライゼーション
デジタル化したデータの活用ができている状態です。各部門の業務フローをデジタルツールやシステム中心で構成したり、組織内のデータを一元管理し有効活用するなどの取り組みを行います。このフェーズでは、部門ごとに求められる技術力を高めるような研修が有効です。
フェーズ3:デジタルトランスフォーメーション
製品・サービスモデル提供で価値を創出するデジタル化をした状態です。新たな事業や製品価値、顧客体験のを創出する、デジタル人材を育成する、業務プロセスのデジタル化などの取り組みを行います。このフェーズでは、DXやIT戦略の基礎力を高めたり、クラウドの理解を深めるような研修が有効です。
DX人材育成を行った事例
インターネット・アカデミーのIT研修は、多くの企業にご利用いただいています。DX人材育成に取り組んだ企業の事例を紹介します。
株式会社JALブランドコミュニケーション
JALグループ全体が抱える課題の1つが、デジタル・トランスフォーメーション(DX)化です。例えば、お客様の飛行機利用を容易にするために予約~搭乗の一連の過程をデジタル化し、利便性を向上させたいと考えています。こうした新たな取り組みを行う際に、IT専門職だけでなく、経営者層もITリテラシーを持ち合わせておくことが経営判断を行うために必要不可欠だと考え、この度、インターネット・アカデミーに研修を依頼させていただきました。
受講した執行役員本人からは、「研修を通してIT・Web業界のトレンドがわかり、経営判断の際に重要な知識を教えていただいた」と聞いています。2日間という短期間ではありましたが、有意義な時間を過ごすことができたようで、今回の研修もインターネット・アカデミーにIT研修をお願いしてよかったと思っています。
株式会社横河ブリッジ
いざDX化を検討しようとした際に、最初の一歩をどう踏み出せばよいのか分からない状態でした。踏み込んだシステムの導入などは、専門業者へ委託を考えておりましたが、我々の導入イメージを正確に伝えるための「ITの基礎知識」が不足していることに気が付きました。こうした経緯から、まずITの基礎知識を学べる研修機関はないかと探していたところ、インターネット・アカデミーにたどり着きました。
研修前は社員がITの基礎知識を学び、用語を少し理解できるレベルになっていれば十分だと考えていました。しかし研修後は、当初の予想をはるかに超えて、社員たちがIT技術を活用し社内の業務効率を向上させるアイデアを提案してくれるようになったのです。最近でいうと、オンラインのコミュニケーションツールを利用して、他部署にも情報共有ができる仕組みを作る動きが社内で広がっています。
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
2025年に向けた中期経営計画において、生産性を上げていくためには社員一人一人が技術力を身に付けなければならないと考えたためです。現在、市場ではDXへの取り組みが急務となっています。当社でも技術力が課題でしたので、全社的にDX人材の育成する必要がありました。特に我々ICTアウトソーシング部はIT領域を専門にサービスを提供しているので、お客様の中で価値を発揮するにはデジタルの活用が不可欠です。そこで、他部署に先んじてDX人材育成のための研修を検討しました。
今回はDX人材育成にあたり新しいノウハウが必要でしたので、知見のある外部研修機関にお願いすることにしたのです。また、一番の目的は「現場の自動化」ですので、PythonだけでなくVBAやUiPathの研修も検討しましたが、業務効率化を幅広く実施するためにも汎用性の高さで今トレンドとなっているPythonのRPA研修を選びました。
インターネット・アカデミーでは、お客様の状況や要望に合わせたデジタルマーケティングの研修を提供しています。自社DX推進のためにデジタル人材育成の研修を検討している方は、お気軽にご相談ください。
この記事の執筆者
インターネット・アカデミー ITビジネスサプリ編集部
インターネット・アカデミーは、IT研修・ITトレーニングなど法人向け研修サービスの提供と、就職・転職などの社会人向け通学制スクールの運営を行っている教育機関です。グループ企業を含めると、「制作」「人材サービス」「教育」の3つの事業のノウハウをもとに、ITビジネスを行う現場担当者の皆様にとって役立つ情報を発信しています。
監修者
インターネット・アカデミー 有村 克己
「カシオ計算機」「小学館」などの大手企業研修をはじめ、神奈川工科大学やエコーネットフォーラムでの講演など、産学連携活動にも従事。エコーネットコンソーシアム「ECHONET 2.0技術セミナー検討WG」委員。
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