IT人材を育成し内製化や配置転換を実現企業の競争力を高める「リスキリング」
目次
リスキング(リスキル)とは何か?

リスキング(リスキル)は、「技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶこと」です。
2020年のダボス会議では、『リスキリング革命』が発表されました。これは、第4次産業革命(IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ビッグデータを用いた技術革新)に伴う急速な有効スキルの変化に対応するために、2030年まで10億人に、より良いスキルや仕事、教育の提供をするというものです。
「リスキング」は、「学び直し」とも訳されますが、仕事を辞めて大学などで学ぶ「リカレント教育」とは別のものとされています。
企業にとってなぜリスキングが必要か?
企業は人の集まりです。人材を人財というように、人が財産であり、企業を作るのは人の力です。
2019年4月に施行された働き方改革関連法。厚生労働省が発信した「働き方改革 ~一億総活躍社会の実現に向けて~」という資料では、「働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等のための措置を講じます」と記されています。
働き方は大きく変化しています。そして、「働き方改革」に対して、積極的に改善をする企業のイメージは良くなります。そして、イメージが良い会社には、良い人材が集まります。
リモートワークの推進

コロナ禍によって、リモートワークが一気に進みました。会社に出社することが働くことと考えられていた時代から、出社せずに、または出社の日数を減らしリモートワークとのハイブリット型で仕事を行う企業も増えています。
出社をせず仕事を進めるために必要なことはインターネットに接続し、業務を行うことです。企業はオンラインでの業務に必要な環境(システム)を整え始めています。しかし、システムだけを整えれば良いのではなく、そのシステムを使う社員への教育も必要です。これまでインターネット上で行われていなかった業務を行う場合、新たな知識が必要になるからです。その学びも、リスキングのひとつです。
テクノロジーの進化

人工知能(AI)導入やDX推進が起こる今、IT技術者と呼ばれる人たちにも、さらなる学びが必要です。彼らがより高度な知識を得ることで、デジタル・ITを活用した付加価値の高い新規ビジネスを生み出すことができます。
企業にとってリスキングが必要な理由は、新たな働き方を積極的に取り込み、良い人材を集めるためです。また、社員に学ぶ機会を作り、新しい働き方で業務を進めていくためです。そして、新たな分野への進出のためです。
労働人口の減少

今後、日本の労働人口は減っていきます。しかし、便利な生活に慣れた現代人が、以前の状態に戻ることは難しいと言われています。「物流の2024年問題」「介護の2025年問題」など、いくつかの問題がそれぞれの業界で叫ばれています。
また、2023年4月からは、猶予が認められていた中小企業の60時間を超える時間外勤務の割増賃金の支払いが始まります。これらを解決するために必要なことは、新たなアプリケーションやツールを使うことでの省力化です。そのために学ぶ場を社員に提供する企業が今後、生き残っていくでしょう。
- 物流の2024年問題
- 働き方改革関連法によって、2024年4月1日から「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用されることで運送・物流業界に生じる諸問題。
- 介護の2025年問題
- 2025年度には約243万人の介護職員が必要となるといわれています。2019年度時点で在職している介護職員は211万人。約32万人増やすためには、年間5.3万人ずつ介護職員を増やさなければいけない問題。
企業が取り組むべき「リスキリング」
こうした日本経済の環境で企業が競争力を保つためには、リスキリングへの取り組みが重要になります。
1.学びを求める社員への機会提供
今の働き方に危機感を覚える社員は、自らリスキングを始めるかもしれません。彼らが考えていることは、新たな取り組みを行う企業への転職です。どの企業も良い人材を求めています。そして、手放したくありません。学びを求める社員にリスキングの場を用意することは良い人材を手放さないために必要なことです。
そして、彼らが学ぶことで社内にイノベーションが起き、新たな商品やサービスが生まれる可能性があります。また、社内の組織をより良く変える可能性もあります。学びを求める社員をこれまでの教育制度に縛り付けるのではなく、リスキングの場で得た知識を会社の財産として生かしてもらうときが来ています。
学ぶ意欲のある社員が満足しより良い仕事をすること。また、彼らが企業内で新たなポジションに就き、力を発揮すること。リスキングは、社内に変化を起こします。
2.すべての社員のIT知識の底上げ
主にIT分野での変化が多い今、ITスキルを持たない社員にリスキングの機会を与え、一人ひとりが持つITスキルを上げることが企業の財産になります。そのスキルを使い、新たなアプリケーションやツールを使うことで業務を減らしていくことは、利益を上げながら働き方改革に応えていく企業の一歩です。そして、社員へ教育投資は、企業の社会的責任です。
リスキリングを行った企業の事例
リスキリングを目的に、多くの企業がインターネット・アカデミーのIT研修を利用しています。ここではリスキリングを行った企業の事例の一部を紹介します。
リスキリングした非IT職の社員が部署を立ち上げた事例

東日印刷株式会社メディア事業部
営業取締役 営業担当 営業局長 小松原慶和 様
取締役 経営企画・経理担当 総合企画室長 濱田俊雄 様
総合企画室 次長 岩本好司 様
「東日といえば新聞」を崩していきたい
我々は創業以来、新聞印刷をメイン事業にして大きくなってきた会社なのですが、時代の流れで新聞印刷だけだと発展性がないという危機感が年々高まっていました。そこで、「何を新規事業とするか」ということから考え、仕事を生み出していく部署を立ち上げ、社内公募でメンバーを募り、動き始めていたところで、Web制作の話が出てきたのです。
最初は、Web制作をするために必要なスキルを学んでもらいました。その後、メンバーの役割や特性に合わせて、プロデュースやディレクション、プログラミングといった授業を受けてもらいました。 メンバーは、「学校に通わせてもらえて良かった」と口を揃えて言ってくれています。
インタビューをみる開発を内製化した事例

株式会社堀内カラーコマーシャルイメージングセンター所長
谷川辰美 様
外注せずに内製化を選んだことで得られたもの
今回、内製化に踏み切って良かったと感じているのは、自分たちが定めたWeb戦略に対し、能動的に行動を起こしながら、出てきた課題に対してすべて自社の中で解決をしていく体制が出来た点にあると感じています。
制作だけであれば外注するという選択肢もあったのですが、それをするとWebで起きている問題に対する社内の「気づき」が今よりも圧倒的に少なかったはずです。今後Webに力を入れ活用していくという社の方針を考えると、社員が研修を受けてスキルアップし、経営陣も含めたITコンサルティング会議で戦略を練って進めていくという、インターネット・アカデミーならではのスタイルがピッタリ合っていたと感じています。
インタビューをみる技術者が新たなプログラミング言語を習得した事例

日本アクセス株式会社経営企画部 次長
北谷健司様
Java・C#からPythonへ 開発の進化を期待
今回インターネット・アカデミーにお願いした研修は、これまで既存のお取引先との協業で身につけてきた知識や技術の枠を超えて、新しいソリューションの開発に繋がるきっかけ作りの場と考えています。例えば、Javaを使って開発していた社員に一歩進んでPythonの教育を受けさせることで、提案の幅が広がることを期待しています。
インタビューをみる目的にあわせたリスキリング研修
「既存社員のITリテラシーを高めて業務のデジタル化をしたい」「エンジニアに新しい技術を学ばせたい」など、目的ごとにおすすめの研修を紹介します。他にも、インターネット・アカデミーでは、リスキリングに適した多数のIT研修ラインナップがあります。御社の業務や社員のスキルレベルに合わせたオーダーメイドもできますので、お気軽にご相談ください。
社員のITリテラシーの底上げをしたい
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ITリテラシー系の研修
IT専門用語や最先端テクノロジーへの理解を深めたり、デジタルツールの活用について学ぶ研修があります。社員のITリテラシーを底上げすることで、業務効率が高まります。
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PC操作・Officeソフト系の研修
パソコン操作やExcelのスキルを向上させるための研修があります。Excel操作スキルが向上することで業務効率化ができたり、PCの設定やトラブルへの対応能力が上がります。
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DX系の研修
DX推進をするために必要となるITリテラシーの向上や、DXへの理解を深めるための研修です。リテラシー向上はもちろん、DX戦略策定、ITベンダーのマネジメントなど目的に合った研修ができます。
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RPA系の研修
VBAでマクロを構築したり、プログラミングでデータ収集や分析を自動化する手法が学べます。部署ごとのデータ入力や分析を効率化することができます。
内製化や専門部署へ配置転換をしたい
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システム開発系の研修、プログラミング系の研修、クラウド系の研修
システム開発に関わる専門技術を習得できる研修が多数あります。システム開発を内製化や外注費用を削減、非IT職の社員をシステム部門に配置転換したい企業様などにオススメです。
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デジタルマーケティング系の研修
デジタルマーケティングに関する知識を習得できる研修が多数あります。デジタルマーケティングの外注費用を削減したり、非IT職の社員をマーケティング部門に配置転換したい企業様などにオススメです。
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Webサイト制作系の研修、Webディレクション系の研修
Webサイト制作をするために必要となる技術を習得するための研修が多数あります。自社のWebサイトを内製化したり、非IT職の社員をWeb制作部門に配置転換したい企業様などにオススメです。
新しい技術を学び業務の幅を広げたい
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AI系の研修、IoT系の研修、Python系の研修
エンジニアが先端IT技術や、AIシステムの開発で注目を集めているPythonなどの言語を習得することで、対応できる仕事の幅を広げることができるようになります。
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UI/UX系の研修、データ分析基礎研修
デザイナーやマーケターがUXを学ぶことで成果物の質を高めたり、マーケターがデータ分析のスキルを身につけることで施策の精度を高めることができるようになります。
リスキリングについて個別相談をする
インターネット・アカデミーでは、DX推進やリスキリングに精通したコンサルタントによる個別相談会を開催しています。個別相談をご希望の方は、フォームよりお申し込みください。
こんな相談ができます
- 社員のリスキリングをするうえで何から学ぶべきか知りたい
- リスキリングに成功している企業の実例を知りたい
- エンジニアが最新技術を学ぶきっかけを作りたい
- 社員のIT知識が不足しておりライバル企業に遅れをとってしまっている
- ITベンダーとのコミュニケーションがうまくいかず費用がかさむのを何とかしたい
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