国内最大級の新聞印刷会社の
新たな挑戦
東日印刷株式会社営業取締役 営業担当 営業局長 小松原慶和 様
取締役 経営企画・経理担当 総合企画室長 濱田俊雄 様
総合企画室 次長 岩本好司 様
毎日新聞グループの「東日印刷株式会社」は、毎日新聞、スポーツニッポンの東日本での印刷態勢を統括するとともに、グループ各社と連携し年間40紙を超える多くの新聞作りに携わっている。1952年の創業から60年を超え、いまや国内最大級の新聞印刷専門会社として成長し、日本の活字文化、そして新聞ジャーナリズムを支えている。
「新聞印刷の事業以外に、将来性のある新しい事業を立ち上げよう」
そんな想いが発端となり、インターネット・アカデミーへ社員研修とITコンサルティングを依頼した、日本最大級の新聞印刷会社・東日印刷。その想いの理由と、研修・コンサルティングの先に思い描いているビジョンについて、お話を伺いました。
「東日といえば新聞」を
崩していきたい
―まずは、社員研修実施の目的をお伺いできますでしょうか。
社員研修の目的は、Webを新たな事業にするために、ビジネスで使えるWebスキルを新規事業チームのメンバーに習得してもらうことにありました。 きっかけは、グループ子会社から受けた「ホームページを作る仕事ができないか」という相談でした。その時点では、請け負える部署もスタッフもいなかったのですが、1年前に立ち上げていた「新規事業グループ」でやってみようという話になったのです。
「新規事業グループ」というのは、印刷以外に何か新しい事業を始めようということで立ち上げた部署です。
我々は創業以来、新聞印刷をメイン事業にして大きくなってきた会社なのですが、時代の流れで新聞印刷だけだと発展性がないという危機感が年々高まっていました。そこで、「何を新規事業とするか」ということから考え、仕事を生み出していく部署を立ち上げ、社内公募でメンバーを募り、動き始めていたところで、Web制作の話が出てきたのです。
新聞印刷のお客様というのは、"発信する"ことを生業としていることが多いので、我々がWeb事業を始めたら連携して何か面白いことができるのではと考えました。毎日新聞社というネームバリューも武器にしつつ、「東日といえば、新聞」という一般的な認識を崩していきたいです。
―なるほど、今後の展開が楽しみですね。ちなみに、研修の依頼先としてインターネット・アカデミーをお選びいただいたのは、なぜでしょうか?
まず、スピーディーな対応が良かったです。時間が限られている中で検討しなければならず、どんどん進めていきたかったので、その点とても助かりました。
また、それだけでなく、W3Cメンバーであり、Web専門で教えるスクールだという点や、グループ企業に人材サービスや制作会社を持っているという点も、大きな魅力でした。我々の会社で不足している人や能力があった場合に、サポートしていただけるのではと考えたからです。
―研修はどんな内容をご選択されましたか?
最初は、Web制作をするために必要なスキルを学んでもらいました。その後、メンバーの役割や特性に合わせて、プロデュースやディレクション、プログラミングといった授業を受けてもらいました。
メンバーは、「学校に通わせてもらえて良かった」と口を揃えて言ってくれています。それをしてくれる会社だということが、ありがたいと。本を買って勉強しなさいというのは難しいですからね。大体、独学ですと正しいスキルは身につかないし、正しいスキルで作ったものでなければ、売り物にはなりませんから。
技術はスクールに、
流れはコンサルタントに
―研修の途中でコンサルティングのご依頼もいただきましたが、そちらは効果としていかがですか?
判断に迷うときに、的確なアドバイスをいただいています。
たとえば、Web制作の新規事業を進めていこうという話になったときに、社員はみんなWebの素人ですから、スキルのある人を採用しようという意見が社内で出たのですが、「新たに採用するのはお勧めしない」とコンサルタントの方にアドバイスをいただきました。
「最初の目的が自社サイトのリニューアルだからこそ、東日の背景をわかった人間が制作チームにいたほうが良い」と。
結果、研修を通して社員にしっかりスキルをつけていただいたので、初期投資が「教育」だけで済みました。
―新規事業グループ発足からわずか半年もの短期間で、自社サイトのリニューアルをしたのですよね。すごいスピードでしたね!
中には、もっと長期計画で考えていいのではという意見もありました。でも、Webというのは変化が早い業界ですから、2年3年といった計画で進めるものではないと思ったのです。 当初メンバーからも、「無理だ」という声もあったのですが、インターネット・アカデミーのコンサルタントの方の「大丈夫ですよ」という言葉を信頼して、進めました。
「スキルは学校でつけるから、安心してくれ」と。その言葉を皆で信じて進んできました。チームで意見が食い違ったときも、コンサルタントの方が入ってチームを動かすサポートをしてくれて。技術的なことはスクールで、進め方をコンサルティングで解決、という流れでしたね。結果、無事に公開することができました。
チームメンバー全員、本当に、よくここまでやってくれました。
Webに収束する時代に合った、
自分たちならではのビジネスを
展開したい
―それでは最後に、今後のビジョンをお伺いできますでしょうか?
我々は、新聞印刷に特化した会社で今まではIT技術に遅れていました。それを、新規事業グループのWeb制作チームを足がかりにしてITのビジネスを始められればと考えています。
新聞自体がなかなか厳しい時代ですからね。十数年前のビジネス雑誌に「すべてはインターネットに収束する」という記事がありましたが、間違いなくそういう方向に流れているなと。
今、はじめることが遅いとか早いという意見もあったけれど、今このチームを足がかりにしていきたいと思っています。当面は、今やっていることを進めて走っていく中で、「次、何をするべきか」が見えてくると考えています。お客様の中でも、Web制作の部隊を持っている会社はなかなかありませんから、新聞印刷のお客様がいるという強みを活かして、事業を広げていきたいですね。
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