今が、IT人材育成のチャンス!助成金を活用しよう

2022/10/11
執筆者:カリエーレ・コンサルタンツ 佐渡治彦

こんにちは。カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。

キャリアコンサルタントの役割の一つに、経営者の企業理念・方針に基づき、企業で働く従業員の皆さんと面談があります。いかに職場で主体的に働いて、業績に貢献していけるか、次への一歩を踏み出してもらうために、従業員に気づきを与えるお手伝いをさせていただいています。

IT人材育成の急務

従業員との面談以外にも、キャリアコンサルタントは、企業の経営者、人事、教育担当者と従業員の育成に関してお話しをする機会があります。

昨今、多くの企業がIT、AI化、DX推進などの課題を抱えていらっしゃいます。なかでも、どの業界でも従業員のIT人材育成は、企業の生き残りをかけた急務だと感じます。従来のアナログ型から効率的なIT・デジタル型へ業務システムの移行は、衰退している日本企業が復活していく上で必須だと思います。

とは言うものの、IT分野が専門ではない企業の経営者、人事、教育担当者にとっては、IT人材育成の急務と言われても何から手を付ければよいのか、良く分からないというのが本音ではないでしょうか?私自身、DX推進と言われても「はてはて、何から始めたら良いのでしょう?」と戸惑ってしまいます。

今回、そんなIT人材育成に取り組もうと考えている企業の経営者、人事、教育担当の皆さん、また、IT人材育成をどこから始めたら良いのか迷われている方々に、IT人材育成を行う上で、助成金の活用方法のヒントをお伝えいたします。

国、自治体がIT人材育成支援

国、自治体がIT人材育成支援

国、自治体はIT人材育成に予算を取って、企業の従業員のIT人材の育成に力を入れています。現在はリスキリング(学び直し)の時代であり、社会人になってからでも学びたいと思う意欲のある方には、いつでも学び直せる環境が整い始めました。国もIT関連のリスキリングをしたい従業員、企業を支援しています。

岸田政権は昨年、3年間で4千億円を投じる「人への投資」政策パッケージの策定を表明。厚生労働省は、2022年度当初予算に1019億円を計上しています。岸田政権が重視する「人への投資」の一環として、従業員に高度なIT訓練を受けさせたり、業務関連分野の大学院に通わせたりした場合、1社あたり年に最大1500万円を支給する政策です。

また、2022年10月3日岸田首相は臨時国会の所信表明演説で、「成長のための投資と改革」に重点的に取り組むとしています。

なかでも、新しい資本主義を巡り「人への投資の抜本的強化と成長分野への労働移動を同時に強力に推進する」と強調しています。政府は賃上げ促進やリスキリングへの公的支援といった人への投資に5年間で1兆円に拡充していく方針です。

具体的な助成金の制度

岸田政権の本年度の「人への投資」政策を具体的に挙げますと厚生労働省の人材開発支援助成金「人への人材投資促進コース」の創設があります。自治体では、東京都産業労働局の令和4年度DXリスキリング助成金(中小企業人材スキルアップ支援事業)の創設がありました。(2022年10月17日で申請期限が終了)

厚生労働省の人材開発支援助成金「人への人材投資促進コース」は、現在でも情報通信業を中心にIT人材育成のための訓練に国から費用を補填してもらえます。事業主が従業員に訓練を実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。

人材開発支援助成金「人への人材投資促進コース」の活用

今回は、2022年度の人材開発支援助成金「人への人材投資促進コース」について、概要をお伝えいたします。この助成金を活用すれば、IT人材育成費用が国から支援してもらえます。

人材開発支援助成金「人への人材投資促進コース」には、5つの訓練コースに分かれています。

  1. 高度デジタル人材訓練/ 成長分野等人材訓練

    高度デジタル人材育成のための訓練や大学院での訓練を行う事業主に対する高率助成を新設

  2. 情報技術分野認定実習併用職業訓練

    IT分野未経験者の即戦力化のための訓練を実施する事業主に対する高率助成の新設(OFF-JTとOJTを組み合わせた訓練)

  3. 定額制訓練(サブスクリクション)

    サブスクリプション型の研修サービスによる訓練への助成の新設

  4. 自発的職業能力開発訓練

    労働者が自発的に受講した訓練費用を負担する事業主への助成負担

  5. 長期教育訓練休暇等制度

    働きながら訓練を受講するための休暇制度や短時間勤務等制度導入する事業主への助成拡充

以上、5つの訓練コースがあり、事業主が従業員に訓練を受講させた場合、国から助成金が支払われます。

注目の訓練!定額制訓練(サブスクリクション)

次に、以上5つの訓練のうち、現在、最も注目されている定額制訓練(サブスクリクション)について、概要をお伝えします。

定額制訓練(サブスクリクション)とは?

定額制訓練(サブスクリクション)とは、訓練当たりの対象経費が明確でなく、同額で複数の訓練を受けられるeラーニングで実施されるサービスのことです。

この「eラーニング」とは、コンピュータなど情報通信技術を活用した遠隔講習であり訓練の受講管理のためのシステム(Learning Management System.「LMS」)により、受講者および支給対象事業主に雇用される訓練担当者との双方により訓練の進捗管理が行えるものを言います。

この助成金を受けるためには、以下の要件を満たす訓練を選択・実施が必要です。

  • 定額制サービスによる訓練であること
  • 業務上義務付けられ、労働時間に実施される訓練であること
  • OFF-JTであって、「事業外訓練」(*1)に該当する内容であること
  • 各支給対象労働者の受講時間数(*2)を合計した時間数が、支給申請時において10時間以上であること
  • 受講を修了した教育訓練が一の職務関連訓練でないこと
    (事業所全体で複数の異なる職務関連訓練の受講を修了すること)

*1
「事業外訓練」とは、OFF-JTであって公共の職業能力開発施設、学校教育法上教育機関、各種学校、専修学校、認定職業訓練施設、他の事業主団体等が企画し主催している訓練を指します。施設よっては対象から除外されますので注意が必要です。また、インターネット上で、広く国民にサービスを提供していない施設や訓練は、支給対象外になることがあるため注意が必要です。

*2
「受講時間数」について、合計に含めることができる時間数は、計画時に提出する「訓練別の対象者一覧(様式第4号)」に記載されている者であって、その修了した訓練の時間数の合計が1時間以上の者が実施した訓練に限ります。また、趣味教養に関わる内容の訓練は対象とならず、「職務に関連した専門的な知識および技能の習得をさせるための訓練(職務関連訓練)」に限られます。
受講時間数は、実際の動画の視聴等の時間ではなく、標準学習時間(訓練を習得するため通常必要な時間として、あらかじめ受講案内等によって定められている時間)により時間数をカウントする点にも注意が必要です。

定額制訓練(サブスクリクション)の助成額

定額制訓練(サブスクリクション)の助成額は、中小企業で「45%(生産性要件を満たした場合+15%)」、大企業で「30%(生産性要件を満たした場合+15%)」となります。

ただし、受講者1人あたりの経費助成の限度額、及びの支給回数の制限は設定されておらず、サービスの「基本料金」と、次に掲げる訓練に直接要する「オプション経費」を支給対象経費とします。

※オプション経費には、初期設定費用・アカウント料・管理者ID付与料金・修了証の発行・IPアドレス制限機能・データ容量追加料金・LMSの管理者研修などが含まれます。

助成金が利用できる研修プログラム

助成金申請には、対象となる事業所、労働者、訓練の要件、正確な申請手続きなどの確認が必要です。詳しくは、労働局、ハローワークにご確認ください。また、申請は、企業でも出来ますが、助成金申請の業務独占資格の社会保険労務士に任せた方が、スムーズでしょう。

そして、これらの助成金を活用するには、信頼、実績のある訓練・研修学校との連携が必要になります。
ここでお薦めなのがインターネット・アカデミーさんの研修プログラムです。IT人材育成の研修を階層・職務別に実践的に受講者が納得するまで丁寧に教えてくれます。オンラインで双方向の受講も可能です。もちろん、上記の助成金にも対応しており、助成金に必要な各々の企業に合ったオーダーメイドのカリキュラム作成についても相談に乗ってくれます。

将来へのIT人材育成の投資をして、一日も早くIT人材の戦力化をすることは業績向上に必須だと思います。企業の経営者、人事、教育担当の皆さん、今が、助成金を活用して、IT、AI、DX研修を実施してみるチャンスです。

IT人材育成にどこから手を付けてよいか分からない方、ご不明な点などございましたら、ご遠慮なくインターネット・アカデミーさんにお問い合わせください。IT研修の専門家が、各々の企業の課題解決に合った研修カリキュラムをご提案してくれます。

執筆者

佐渡治彦 様
キャリアコンサルタント(国家資格)
カリエーレ・コンサルタンツ(Karriere Consultants)代表
名古屋商工会議所会員

1965年、愛知県名古屋市生まれ。現在も名古屋市在住。1989年に明治大学政治経済学部経済学科を卒業後は、日製産業株式会社(現株式会社日立ハイテク)や、ドイツ系企業リタール(Rittal)にて開発営業プロジェクトマネージャー、採用責任者を経験。2012年9月からは法務局乙号業務責任者として非正規社員の指導、ハローワークにて求人者支援員の経験を重ね人材ビジネスにキャリアチェンジしている。

2011年1月、キャリア・コンサルタント能力評価試験の一つであるDBM(現TCC)マスターキャリアカウンセラーを取得。2016年5月には国家資格となったキャリアコンサルタントを取得。

2017年4月、カリエーレ・コンサルタンツを開業。公共事業、企業領域キャリアコンサルタント中心に活動しており、セルフ・キャリアドック制度助成金を活用し中小企業を中心に100社以上への導入実績を持つ。「働き方に悩む人を、ゼロに。」をモットーにしている。

  • 愛知県労政局「未就職卒業者等人材育成事業」「中小企業処遇改善支援事業」「介護職経験者再就職支援訓練事業」
  • 東京都産業労働局「東京都コロナ緊急対策支援事業」
  • 千葉、大阪、兵庫労働局委託事業「不安定就労者再チャレンジ支援事業」
  • 愛知労働局委託事業「訓練希望者等に対するジョブ・カード作成支援推進事業」※事業責任者
  • 愛知労働局委託事業「愛知働き方改革推進支援センター」※相談員
  • 愛知労働局委託事業「介護分野における人材確保のための雇用管理改善推進事業」※雇用管理改善委員会委員
  • 愛知労働局委託事業「なごやキャリア・コンサルティングセンター」※事業運営責任者

資格

2011年11月 DBMマスター・キャリアカウンセラー資格取得
2016年5月 キャリアコンサルタント国家資格取得

運営サイト

https://karriere-consultants.com/

著書

「キャリアコンサルタント」で自立する方法

メディア掲載

転職info「キャリアコンサルタントになるには?~どんな資格?費用は?誰でもなれる?収入は?」記事監修

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