人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース創設!

2022/12/20
執筆者:カリエーレ・コンサルタンツ 佐渡治彦
人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース創設!

こんにちは。カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。

令和4年度第2次補正予算が令和4年12月2日、参院本会議で可決・成立しました。その中で、人材開発支援助成金に「事業展開等リスキリング支援コース」の創設が発表されました。

岸田内閣の進める「人への投資」への具体施策の一つといえるでしょう。

高い助成額、助成率で使いやすい助成金

「事業展開等リスキリング支援コース」は、これまでの人材開発支援助成金の内容とは違い、新規分野の事業の立ち上げなどのノウハウの習得に対しての人材育成を支援しています。 新規事業構築、展開やスタートアップの初期段階から支援しており、制約も比較的緩いので、使いやすい助成金制度と言えるでしょう。

また、1事業所1年度あたりの助成金限度額が1億円とこの助成金への岸田内閣の意気込みが感じられます。

事業展開等に伴い、人材育成にあたり、新たな分野で必要となる知識や技能を習得させるための訓練を実施した場合に助成されます。

厚生労働省、労働局の説明では、この12月より創設された「事業展開等リスキリング支援コース」は、企業の持続的発展のため、新製品の 製造や新サービスの提供などにより新たな分野に展開する、または、デジタル・ グリーンといった成長分野の技術を取り入れ業務の効率化などを図るための人材育成に対して支援する助成金となっています。

それでは、以下、厚生労働省、労働局のリーフレットから解説いたします。

対象者

  1. 既存事業にとらわれず、新規事業の立ち上げなどの事業展開に伴う人材育成
  2. 業務の効率化、脱炭素化などを目的に、デジタル・グリーン化に対応した人材育成

以上の人材育成に取り組む事業主に対して、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を高率助成により支援する制度です。

具体例

事業展開とは

  • 新商品や新サービスの開発、製造、提供又は販売を開始する
  • 日本料理店が、フランス料理店を新たに開業する
  • 繊維業を営む事業主が、医療機器の製造等、医療分野の事業を新たに開始する
  • 料理教室を経営していたが、オンラインサービスを新たに開始する 等

デジタル・DX化とは

  • ITツールの活用や電子契約システムを導入し、社内のペーパーレス化を進めた
  • アプリを開発し、顧客が待ち時間を見えるようにした
  • 顔認証やQRコード等によるチェックインサービスを導入し手続きを簡略化した 等

グリーン・カーボンニュートラル化

  • 農薬の散布にトラクターを使用していたが、ドローンを導入した
  • 風力発電機や太陽光パネルを導入した 等

こうした事業展開するにあたって、人材育成をする際、支給される助成金です。

これから事業展開する企業にも適用

この助成金を申請するには、事業展開等実施計画(様式第2号)を労働局に提出にしなければなりません。以下の①と②のパターンになります。

① 事業展開を行う場合
② 上記①の事業展開以外で企業内のデジタル・グリーン化を進める場合

①の場合は、事業展開を計画した(している)企業であり、事業展開とは、訓練開始日から起算して、3年以内に実施するもの又は6か月以内に実施したものでなくてはなりません。

一方、②はこれからデジタル・グリーン化の事業展開を進める企業の場合です。

つまり、これから事業展開を進めようと計画を考えている企業にも適用されるのです。訓練時間は10時間以上必要です。訓練は所定労働時間内での賃金助成の対象なので注意が必要です。

また、訓練カリキュラムの内容と関連性のある資格・試験に関する受験料も対象になります。

  • ITSSレベル2、3及び4の資格試験
  • 公的職業資格
  • 教育訓練給付指定講座分野・資格コード(令和4年4月版)に記載されている資格・試験の資格試験

更に「事業展開等リスキリング支援コース」は専門実践教育訓練、特定一般教育訓練など一般教育訓練等の指定講座の訓練にも適用されます。

受講する研修学校の講座が、専門実践教育訓練、特定一般教育訓練に該当していれば、助成が受けられます。

正社員化を検討している企業にも支援があります。

「事業展開等リスキリング支援コース」は、キャリアアップ助成金の加算対象になっています。有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換等した場合、助成金額の加算額を9万5千円から11万円に引き上げます。

あと、対象訓練に関連して実施されるキャリアコンサルティング経費も計上できますので、是非とも、キャリアコンサルタントをご活用してみてください。 また、助成金の申請、給付手続きは、各々の企業の総務部などの担当者でもできますが、業務独占資格の社会保険労務士に任せるとスムーズにできるでしょう。

各都道府県労働局の助成金申請窓口

助成額・助成率

①助成率・助成額限度額
- 経費助成率 賃金助成額 1事業所1年度あたりの
助成限度額
中小企業 75% 960円 / 時・人 1億円
中小企業以外 60% 480円 / 時・人 1億円
②受講者一人あたりの経費助成限度額
- 10時間以上100時間未満 100時間以上200時間未満 200時間以上
中小企業 30万円 40万円 50万円
大企業 20万円 25万円 30万円
  • 専門実践教育訓練の指定講座の訓練については、一律「200時間以上」の区分です。
  • e-ラーニング及び通信制による訓練等(標準学習時間が定められているものは除く)については、一律「10時間以上100時間未満」の区分です。
  • 定額制サービスによる訓練の場合は、訓練時間数に応じた限度額は設けません。
  • 賃金助成限度額(1人1訓練当たり)1,200時間が限度時間です。専門実践教育訓練については1,600時間が限度時間です。

助成金支給額の実例

助成金の支給額事例

実際に助成金を活用してインターネット・アカデミーの研修を利用された企業様の支給額の事例を紹介します。

利用した研修と助成金制度
事業展開等リスキリング支援コース
  • 研修内容:DX化推進研修
  • 受講人数:10名
  • 研修時間:21時間

今こそ、IT、DX推進の人材育成を!

今こそ、IT、DX推進の人材育成を!

さて、ここで「新たな事業展開の人材育成は、どんな内容で、どんな研修を受ければよいのか?」と迷われる事業主、人材育成のご担当者様もいらっしゃるかもしれません。

前回のコラムで、「DX人財育成とリテラシーの必要性」でも述べましたが、この創設された「事業展開等リスキリング支援コース」の内容から分かるように「DX推進」がキーポイントとなっています。

今回の「事業展開等リスキリング支援コース」は、このIT、DX人材育成の課題解決にもってこいの助成金です。国からの支援により、IT、DX人材育成ができるのです。また、今回の助成金は、eラーニングも対象です。

ここでお薦めなのは豊富な実績のカリキュラムがあるインターネット・アカデミーさんの研修です。

インターネット・アカデミーさんの研修は双方向オンラインや対面はもちろん、eラーニングも充実しています。また、助成の対象であるIT、DX人材育成の研修に加え、専門実践教育訓練も国から認定を受けており、多くの講座が助成対象となっています。

その訓練とは、第四次産業革命スキル(Reスキル)講座です。IoTやAI、ビッグデータの活用による技術革新において活躍する人材に必要なスキルのことです。この分野は将来の成長が強く見込まれているため、専門的・実践的な教育訓練講座として経済産業省の認定を受けています。

インターネット・アカデミーのReスキル講座

事業主、人材育成ご担当の皆様、新年を迎えるにあたって、この機会に従業員様のIT、DX人材育成を考えてみませんか!その際には、「事業展開等リスキリング支援コース」の活用をお勧めします。

助成金を活用したデジタル人材の育成

インターネット・アカデミーでは、IT・DXリテラシーの向上からエンジニアの育成まで、企業ごとのデジタル人材育成のニーズにお応えできる研修があります。貴社のご要望に合わせた研修カリキュラムのご提案はもちろん、人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」を活用した人材育成についてのご相談や、まずは情報を集めたいという方への情報提供など、専任のコンサルタントが承っています。まずはお気軽にご相談ください。

執筆者

佐渡治彦 様
キャリアコンサルタント(国家資格)
カリエーレ・コンサルタンツ(Karriere Consultants)代表
名古屋商工会議所会員

1965年、愛知県名古屋市生まれ。現在も名古屋市在住。1989年に明治大学政治経済学部経済学科を卒業後は、日製産業株式会社(現株式会社日立ハイテク)や、ドイツ系企業リタール(Rittal)にて開発営業プロジェクトマネージャー、採用責任者を経験。2012年9月からは法務局乙号業務責任者として非正規社員の指導、ハローワークにて求人者支援員の経験を重ね人材ビジネスにキャリアチェンジしている。

2011年1月、キャリア・コンサルタント能力評価試験の一つであるDBM(現TCC)マスターキャリアカウンセラーを取得。2016年5月には国家資格となったキャリアコンサルタントを取得。

2017年4月、カリエーレ・コンサルタンツを開業。公共事業、企業領域キャリアコンサルタント中心に活動しており、セルフ・キャリアドック制度助成金を活用し中小企業を中心に100社以上への導入実績を持つ。「働き方に悩む人を、ゼロに。」をモットーにしている。

  • 愛知県労政局「未就職卒業者等人材育成事業」「中小企業処遇改善支援事業」「介護職経験者再就職支援訓練事業」
  • 東京都産業労働局「東京都コロナ緊急対策支援事業」
  • 千葉、大阪、兵庫労働局委託事業「不安定就労者再チャレンジ支援事業」
  • 愛知労働局委託事業「訓練希望者等に対するジョブ・カード作成支援推進事業」※事業責任者
  • 愛知労働局委託事業「愛知働き方改革推進支援センター」※相談員
  • 愛知労働局委託事業「介護分野における人材確保のための雇用管理改善推進事業」※雇用管理改善委員会委員
  • 愛知労働局委託事業「なごやキャリア・コンサルティングセンター」※事業運営責任者

資格

2011年11月 DBMマスター・キャリアカウンセラー資格取得
2016年5月 キャリアコンサルタント国家資格取得

運営サイト

https://karriere-consultants.com/

著書

「キャリアコンサルタント」で自立する方法

メディア掲載

転職info「キャリアコンサルタントになるには?~どんな資格?費用は?誰でもなれる?収入は?」記事監修

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