DX人財育成とリテラシーの必要性

2022/11/25
執筆者:カリエーレ・コンサルタンツ 佐渡治彦
DX人財育成とリテラシーの必要性

こんにちは。カリエーレ・コンサルタンツ、キャリアコンサルタント佐渡治彦です。

最近、「DX推進」というキーワードをよく耳にします。「DX」とはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称で、デジタルによる変革を意味しており、デジタル技術を使って企業がビジネスを生み出したり、消費者の生活が向上したりすることが含まれます。

ここでいうデジタルとはAI(Artificil Intelliegnece:人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)、ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)、クラウドサービスなどを含んだ総合的な技術のことです。

DX推進の必要性と2025年の崖

DX推進の必要性と2025年の崖

私も、このような説明を聞くと、デジタル技術を使用して、業務の効率化、新しいビジネスを創り出すという何となくのイメージがつきますが、企業の経営者からは、何処から具体的手を付けて良いのか悩んでしまうというお声を良くお聞きします。

また、経済産業省のDXレポートでは、「2025年の崖」という言葉も登場して、企業に対DX推進の必要性を唱えています。

「2025年の崖」とは、経済産業省のDXレポートで登場した言葉で、日本国内の企業が市場で勝ち抜くためにはDXの推進が必要不可欠であり、DXを推進しなければ業務効率・競争力の低下は避けられないとしています。競争力が低下した場合の想定として、2025年から年間で現在の約3倍、約12兆円もの経済損失が発生すると予測されており、これを「2025年の崖」と表現しています。

要するに、現在、低迷する日本企業は、DX推進に取り組まなければ、益々、成長が停滞する一方であり、国も危機感を抱き、企業にとっても「DX推進」は、今後、ビジネス展開、生き残りをかけた大きな課題と言えることが分かります。

DX推進の取り組みとは?

さて、このようにDX推進が迫られている現在、企業はどこから手を付けていけばよいのでしょうか?まだ、DXに取り組んでいない企業にとっては、悩ましいところです。既にDXに取り組んでいる企業にとっても、更なるバージョンアップを考えなければなりません。

そもそもDX推進とは、企業が現状どれくらいDXに取り組めているかによって、手を付ける内容が違ってくるのです。DX推進には、概ね、3段階のフェーズがあると言われています。

DX取り組みの3段階のフェーズ

まず、はじめにアナログ情報をデジタル情報に変換する「デジタイゼーション」のフェーズがあります。次にデジタル技術の導入で業務プロセスを効率化させる「デジタライゼーション」があります。そして、デジタル技術の導入により事業の在り方を再構築するデジタル・トランスフォーメーションすなわちDXと進んでいきます。

  1. デジタイゼーション (Digitization)
  2. デジタライゼーション (Digitalization)
  3. デジタル・トランスフォーメーション (DX)

最初のフェーズのデジタイゼーションとは、「プロセスそのものは変化させることなく、アナログデータをデジタルデータに変換すること」という意味です。わかりやすい例では、これまで紙で作成していた書類を電子化してデータベースにしたり、連絡手段に電子メールやチャットツールを取り入れたりするなどがあります。

例えば、アナログな紙の伝票でやり取りしていた経費精算をExcel化するといったことが挙げられます。紙の伝票を作成して手作業で集計する手間を省いて作業時間を短縮させたり、新しい伝票を作成する際に既存の伝票のテンプレートを流用することも可能で、大幅な業務効率化につながります。

次のフェーズ、デジタライゼーションとは、「個別の業務・製造プロセスのデジタル化」という意味です。

部署単位ではなく、例えば、企業の業務全体を横断的にデジタル化することで効率化します。 例を挙げるとExcelやPDFの書類入力・コピペしていた業務をRPA(Robotics Process Automation)化する。RPAとは、その名の通りロボットが作業プロセスの一部を担うシステムです。

見積書や請求書の発行、Excel作業などフォーマットが決まっている事務作業を、ソフトウェア型ロボットが代行することによって、工数や人員削減につなげる役割を持っています。デジタイゼーションをより進化させたものがデジタライゼーション、それをさらに進化させたものがDXととらえると、イメージすると良いかもしれません。デジタイゼーションとデジタライゼーションは、言葉は似ていますが内容は異なります。

DX推進とは?その具体例

そして、最後のフェーズ、DXとはどういった状態なのでしょうか?その意味を知るために、DXの定義を整理しておきます。経済産業省はDXを以下のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
引用:経済産業省「DX 推進指標」とそのガイダンスより

つまり、冒頭でも述べましたが、デジタル技術を使って企業がビジネスを生み出したり、消費者の生活が向上したりしていくことなのです。分かりやすく、具体例を紹介しましょう。

イオン(流通・小売)のDX事例

イオンモールでは、店舗に人工知能を搭載したAIカメラを導入しています。 店内の通路ごとに来店客の動きを撮影・分析し、接客にあたります。例えば、通路で迷っている様子の顧客を検知すると、店員のスマートフォンに通知され、店員が接客対応・販売促進活動を行います。品揃えや商品の配置にも役立てられ、売上拡大・顧客満足度向上へ繋がる仕組みです。

Amazon(米国)のDX事例

AmazonのECプラットフォームは、今やほとんどの人が一度は購入したことがあるのではないのでしょうか。以前は、買い物は、店舗で購入するのが当たり前でした。しかし、Amazonは巨大なECプラットフォームを構築し、場所や時間を気にせずに、欲しいモノやサービスを購入できる世界を築きました。関連商品や好みの商品はレコメンドされ、更に、買い忘れはリマインドされます。スマートスピーカーに話しかければ、注文も受け付けてくれます。次々顧客の購買欲をそそる、独自の仕組みを創造し、世界中に広まりました。

これらの具体例のように、DX推進することで、労働生産性の向上、新事業の創出や拡大、安定的なシステム基盤構築が期待されるのです。

なお、経済産業省のDXレポートには、DXを進めるのに必ずしも第1フェーズであるデジタイゼーションから順に実施をする必要はないといった趣旨の記載がありますので、自社の目標に即してDX推進を勧めた方が良いと思います。

DXの専門知識、リテラシーの必要性

DXの専門知識、リテラシーの必要性

以上のよう一言で「DX推進」言っても、自社の段階によって課題は違ってきます。 各々の企業によってフェーズが違いますし、何を目的にしているのかで対応は違うからです。

ですので、一足飛びに、DX推進と言っても、各々企業に合った課題を克服していかなければなりません。その課題を解決し自社のDX推進を実現するには、専門的知識、リテラシーを習得した人材が必要になってきます。

現在、多くの企業がDX人材育成について、課題であるというお声をお聞きします。 どうすれば、社内の多くがアナログ業務からデジタル化すればよいのか?AIなどの先端IT技術を取り入れるために必要な技術を習得して実際にどう活かせばよいのか?など企業内でのDX推進していくための人材育成です。

ここで、どのように企業はDX人材育成をしているのか具体例を少し紹介しましょう。

海外企業では、AT&T・Amazon・Wal-Martなどを筆頭に、社内の非技術職員を技術職に転換することで技術職の人材不足に対応しています。サービスを現場で提供する人材がシステムを有効に利用できるようにするなどを目標に人材戦略として従業員に対し、リスキリング(学び直し)により、専門知識、リテラシーを習得させています。

国内では、大手企業の中期経営計画にはほとんど必ず、「DX」もしくは「リスキリング」という言葉がみられるようになっています。実際に日立製作所・富士通・住友商事・三菱商事・丸紅などといった企業でリスキリングにより、従業員に専門知識、リテラシーを習得することで、DX人材育成に取り組んでいます。

ここで、重要なポイントとして、効率的にDX人材育成していくためには、DXのスペシャリストから専門知識、リテラシーを学ぶことが重要だということです。

上記の具体例に掲げた大企業のほとんどは、DXスペシャリストの講師がいる研修会社から学んでいます。

今、IT人材育成チャンス!助成金を活用しよう」でも述べましたが、現在は、リスキリング(学び直し)を重要視する時代です。国、自治体も助成金などでIT人材育成を支援しています。もちろん、DX推進の学びも含まれています。

より効果的なリスキニングを実施するには、実績、信頼のおける研修会社との連携が必要になります。

DXのフェーズに合った研修カリキュラム

インターネット・アカデミーさんでは、各々の企業のDXのフェーズに合ったカリキュラムを用意しています。また、階層・職務別に実践的に受講者が納得するまで丁寧に教えてくれます。もちろん、企業の課題に合ったカリキュラムも作成してくれます。

例えば、DX研修では、「DXとは何か」といった基礎となる知識から、DX化を進めるためのフェーズ、日本だけでなく海外企業も含めたDX化の推進状況や事例から学べます。自社の課題のイメージを把握した後、ITを理解するうえで必須となる技術の基礎知識を学び、技術的な背景を踏まえたうえで社内のDX化に臨めるようにします。

その他にも、基礎的なインターネットの仕組みから最新トレンドまで体系的に学べる「ITリテラシー研修」、RPAツールの使い方を取得することで対象の情報を記憶して自動再現することが可能になり、プログラミング知識のない初心者でも容易にパソコン操作を自動化できるになる「WebスクレイピングによるRPA研修」など、豊富なカリキュラムがあります。

現代は、「DX推進」が、企業の業績向上に重要なポイントとなる時代です。将来を見込んだ人材育成は、どの企業も早急に考えた方が良いと思います。 何から手を付けてよいのかわからない経営者、人事、人材育成担当者の皆さま、既にDX促進に取り組み、更なるバージョンアップをお考えの担当者の皆さま、今が、DX推進するのに重要な時期です。

自社の人材育成をインターネット・アカデミーさんにご相談してみてはいかがでしょうか。 DX推進はもちろん、IT全般の人材育成のスペシャリストが、親身になって自社に合ったカリキュラムを提案してくれますよ!

執筆者

佐渡治彦 様
キャリアコンサルタント(国家資格)
カリエーレ・コンサルタンツ(Karriere Consultants)代表
名古屋商工会議所会員

1965年、愛知県名古屋市生まれ。現在も名古屋市在住。1989年に明治大学政治経済学部経済学科を卒業後は、日製産業株式会社(現株式会社日立ハイテク)や、ドイツ系企業リタール(Rittal)にて開発営業プロジェクトマネージャー、採用責任者を経験。2012年9月からは法務局乙号業務責任者として非正規社員の指導、ハローワークにて求人者支援員の経験を重ね人材ビジネスにキャリアチェンジしている。

2011年1月、キャリア・コンサルタント能力評価試験の一つであるDBM(現TCC)マスターキャリアカウンセラーを取得。2016年5月には国家資格となったキャリアコンサルタントを取得。

2017年4月、カリエーレ・コンサルタンツを開業。公共事業、企業領域キャリアコンサルタント中心に活動しており、セルフ・キャリアドック制度助成金を活用し中小企業を中心に100社以上への導入実績を持つ。「働き方に悩む人を、ゼロに。」をモットーにしている。

  • 愛知県労政局「未就職卒業者等人材育成事業」「中小企業処遇改善支援事業」「介護職経験者再就職支援訓練事業」
  • 東京都産業労働局「東京都コロナ緊急対策支援事業」
  • 千葉、大阪、兵庫労働局委託事業「不安定就労者再チャレンジ支援事業」
  • 愛知労働局委託事業「訓練希望者等に対するジョブ・カード作成支援推進事業」※事業責任者
  • 愛知労働局委託事業「愛知働き方改革推進支援センター」※相談員
  • 愛知労働局委託事業「介護分野における人材確保のための雇用管理改善推進事業」※雇用管理改善委員会委員
  • 愛知労働局委託事業「なごやキャリア・コンサルティングセンター」※事業運営責任者

資格

2011年11月 DBMマスター・キャリアカウンセラー資格取得
2016年5月 キャリアコンサルタント国家資格取得

運営サイト

https://karriere-consultants.com/

著書

「キャリアコンサルタント」で自立する方法

メディア掲載

転職info「キャリアコンサルタントになるには?~どんな資格?費用は?誰でもなれる?収入は?」記事監修

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