IT技術・戦略PRAとは?導入メリットと関連技術
2022/12/27
近年の急速なインターネット技術・デジタル技術の発達は、我々の私生活に多くの恩恵をもたらしているのと同時に、企業の戦略においても非常に重要なファクターとなってきています。例としてインターネット上での取り引き(EC)や集客、その他デジタル技術を用いた業務の効率化など、企業の市場での競争力維持のためにこれらのIT技術は非常に役立ちます。
実際、従来のビジネスモデルや業務形態のデジタル化(DX)を図る風潮は現在、すでに多くの企業に伝播しています。本記事では、IT技術を用いたDXのなかでも特に業務の自動化(RPA)に焦点をあてて具体的にそのメリットや必要技術をご紹介します。
目次
RPAとは?
RPA(Robotic Process Automation)とは、ソフトウェアロボットを導入して人間がPC上で行うルーティンワーク的な業務をロボットで自動化するテクノロジーです。RPAは、業務効率化や人的ミスの削減などの効果があり、DXにおける3段階のうちのデジタライゼーションを実現するための技術の一つともいえるため、業務改善や働き方改革を可能にするテクノロジーとして注目を集めています。
自動化というとAIが特に有名ですが、RPAは自律した判断ができない代わりに「判断を必要としないルーティン業務」の自動処理に特化しており、複雑なシステム・アプリケーションをまたぐ作業についても自動化できてしまいます。
RPAでできること
前章でも述べたように、RPAでは繰り返しが多く、時間がかかり、人間が行うと面倒に感じるような定型業務を自動化できます。具体的には以下のような例があげられます。
データ入力・転記
あらかじめ用意されているデータを別のアプリケーションに繰り返し入力するような業務です。例えば、社内システムに保存されているデータの一部を抽出し定期的にレポートとして資料を作成する、といったこともできます。その他にも、経費の処理、発注・受注、納品などの業務が例としてあげられます。
データの収集・反映業務
RPAは、Webサイトから競合価格などのデータを集めてくるだけでなく、収集したデータの簡単な分析や検証をすることもできます。その後、社内のアプリケーションを操作して担当者に結果を通知する、といったこともできます。
社内システムの操作
手順が決まっている作業であれば、社内のシステムに接続してデータのダウンロード(インプット)や変換・解析などの処理(プロセス)、メールやチャット・印刷などの発信(アウトプット)まで非常に幅広い業務に適用することができます。
RPAでできないこと
手順が毎回かわるような非定型作業や、思考や判断が必要となってくる業務にはRPAを導入することはできません。AIなどと違って、イレギュラーなどが発生した場合には自力でその問題を解決することはできません。例えば、企画や提案、コミュニケーション、データの傾向に応じた分析、議論などのクリエイティブな作業はこなすことができません。
RPAを導入するメリット
RPAを導入し、単純な業務を自動化することで企業によって以下のようなメリットを期待することができます。また他の自動化ツールと比較した際には、Excelのマクロと違いアプリケーションを横断した幅広いシチュエーションの自動化が可能になる、プログラミングの知識を必要とするITシステムと違いプログラミングに詳しくなくても簡単な作業であればロボット導入を行うことができる、ITシステムに比べると比較的安価に導入できる、といったメリットもあります。
業務効率化・精度向上
RPAによって人間が行っていた業務が自動化されるため、作業スピードが向上しかつミスも少なく必要な作業を行えるようになります。
作業時間の短縮
社員が繰り返し作業に割く時間をおさえられるため余計な人件費の削減になり、その分、社員をより複雑でクリエイティブな思考が必要とされる仕事に割り当てることができるようになります。
スモールスタートで導入可能
いきなり、社内の大きなシステムの自動化に踏み切ろうとすると多少ハードルを感じますが、ソフトウェアロボットは個人の作業単位やチームごとの単位でも、現場で必要なものを作ることが可能です。これにより部署単位の社内DXへつながり、全社的なDXへの足がかりとすることができます。
RPA導入に必要なこと
近年ではRPAの導入を後押しするRPAツールをサービスとして提供しているものもありますが、RPAを企業の実情にあわせて導入していくにはやはり以下のようなことが必要になっていくと考えられます。
人材確保
RPAの導入時もその後も、現場で必要な作業に合わせてロボットを修正する必要がでてくることは多々あります。現場にもやはりRPAを扱うことのできる人材が必要になってきます。またRPAをスムーズに導入して現場に広めるため、社内で幅広い分野からRPAを扱うことのできる人材を確保(育成)する必要があります。
業務の見直し
RPAを導入しやすいように業務を体系化し整理しておく必要があります。その後、導入に向いている業務から徐々にロボットを導入していくことができるようになります。
RPAを扱うことのできる人材の育成
このように、社内の業務を効率化するRPAを実際に導入するためには、やはりその技術について理解をしている人材を確保・育成していく必要があります。近年では、このようなデジタル技術を扱える人材の需要は非常に高まっているので、企業ではそのような人材を積極的に育成していくことが必要になってきているように思われます。
ここでは実際に社内で人材を育成しながら、RPAを導入した企業の事例をご紹介します。
RPAに関する研修事例
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
業務の自動化に向けてRPA研修を実施

2025年に向けた中期経営計画において、生産性を上げていくためには社員一人一人が技術力を身に付けなければならないと考え研修を依頼することになりました。一番の目的は「現場の自動化」でしたので、業務効率化を幅広く実施するためにも汎用性の高さで今トレンドとなっているPythonのRPA研修を選びました。インターネット・アカデミーはほかの研修機関に比べて柔軟性が高く、現場の業務に近しい形でカリキュラムをカスタマイズしてくださり、RPAツールやLINEチャットボットを作る実践的な研修が実現できました。
インタビューをみるアンカー・ジャパン株式会社
「お客様の声」を分析するシステムツールを構築したい

Pythonで「お客様の声」を分析し、分析結果を製品開発に活かしたいと考えたのが研修を依頼した動機です。事業の成長に合わせお客様からのお問い合わせが増えている中で、弊社の強みである「お客様の声を製品開発に活かす」ためには、RPA やデータマイニングを利用しながらカスタマー・サポートの品質向上が必須だと考えました。今回はベンダーマネジメントを見据えた社員研修を実施でき、ツール開発の流れが全員把握できたことが結果的に会社の財産にもなりました。
インタビューをみるインターネット・アカデミーでは、企業のご要望に応じて研修内容をカスタマイズし、より社内の実情に合わせた実践的かつ効果的な研修をお届けすることができます。また常に最新のIT技術の情報をもっていますので、最も現場で役に立つ技術の研修を提案・提供することができます。また近年では人材育成に関する助成金制度も充実してきていますので、法人研修にかかるコスト面での不安も抑えることができます(以下のリンクをご参照ください。
RPA導入についてお悩みの企業、RPAに限らずDXについてお悩みの企業のみなさまは是非一度インターネットアカデミーまでご相談ください。
この記事の執筆者

インターネット・アカデミー ITビジネスサプリ編集部
インターネット・アカデミーは、IT研修・ITトレーニングなど法人向け研修サービスの提供と、就職・転職などの社会人向け通学制スクールの運営を行っている教育機関です。グループ企業を含めると、「制作」「人材サービス」「教育」の3つの事業のノウハウをもとに、ITビジネスを行う現場担当者の皆様にとって役立つ情報を発信しています。
監修者

インターネット・アカデミー 有村 克己
「カシオ計算機」「小学館」などの大手企業研修をはじめ、神奈川工科大学やエコーネットフォーラムでの講演など、産学連携活動にも従事。エコーネットコンソーシアム「ECHONET 2.0技術セミナー検討WG」委員。
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