IT技術・戦略IoT(モノのインターネット)とは?IoTの活用事例

2021/09/20 (2022/11/29更新)
IoT:Internet of Things(モノのインターネット)とは?モノのインターネットの活用事例

「IoT」という言葉をご存じでしょうか。IoTの意味を知らない方の中にも、日常生活でIoTを体験している方は多くいらっしゃると思います。例えば、テレビやエアコンを利用するシーンを考えてみましょう。最近ではテレビをインターネットに接続したり、職場からスマートフォンで録画予約をしたりできます。エアコンについても同様に、スマートフォンで遠隔操作することにより、帰宅時間に合わせて室内を最適な温度に保つことができます。

このように世の中をますます便利にする仕組みが「IoT」です。今回はIoTとはどのようなものか、そしてIoTの活用事例についてご説明します。

目次

IoTとは?

IoTとは?

「IoT」とは「Internet of Things」の頭文字を取った単語です。日本語では一般的に「モノのインターネット」と呼ばれています。IoTを簡単に説明すると、「身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながる」仕組みのことです。

これまでも、パソコンや携帯電話などのモノがインターネットにつながっていました。ではこれまでインターネットとは無縁だったテレビやエアコンがインターネットにつながることにより、モノが相互通信し、遠隔からも認識や計測、制御などが可能となります。人が操作してインターネットにつなぐだけではなく、モノが自らインターネットにアクセスすることがIoTの特徴です。

IoTの活用事例

冒頭でご紹介したテレビやエアコンのほかにも、IoTは様々な分野で活用されています。今回は、自動車・交通機関・物流・医療・農業における活用事例をご紹介します。

自動車分野におけるIoT

自動車分野におけるIoT

自動車とスマートフォンを接続することにより、カーナビを利用しなくても道順を知ることができたり、車内で音楽を楽しむことができたりするスマートデバイスの活用が進められています。

また将来の実用化に向けて、世界の自動車メーカーは「自動運転システム」の開発を急いでいます。自動運転システムにより、センサーを搭載した自動車は「走る」「回る」「止まる」などの動作を自動で行うことができます。すでに一部の自動車に搭載されている「自動ブレーキ」機能は、自動運転の先駆けと言えるでしょう。

住宅におけるIoT

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住宅のIT化(スマートハウス)の実現に向けてIoT技術は活用することができます。電気自動車の電気を住宅で使用できるようにしたり、太陽光発電で得た電力を住宅のあらゆるところで使用できるようにしたりなどの例が挙げられます。その他にも、玄関にカギをかけると部屋のセキュリティシステムが作動し、部屋中の施錠を確認したり、照明やエアコンなどがつけっぱなしでないかを調べたりするようなサービスが存在し、人々の生活を支えています。

日本では、エコーネットコンソーシアムが開発・普及している「ECHONET Lite」という規格が多くの家電製品や住宅に標準的に搭載されています。このECHONET Liteを介して、異なるメーカーの家電製品や、スマートハウスの設備をインターネット経由で制御することができるようになります。

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交通機関におけるIoT

バスは、渋滞などにより到着が遅れることがあります。最近では、バスもIoT化が進んでおり、Webサイトや停留所などにあるQRコードなどから「バスが何分後に来るか」をリアルタイムで知ることが可能です。また、電車も同様に、リアルタイムの運行状況を知ることができます。遅延が起こり、「乗り換えするかどうか判断に迷う」際に活用すると便利でしょう。

物流におけるIoT

物流におけるIoT

物流(ロジスティクス)の世界でもIoTは急速に活躍の場を広げています。特に配送、倉庫の在庫管理において、その動きが顕著です。
例えば、ドローンや自動運転車を使った配送サービスが注目されています。まだ法整備などのハードルがあるものの、特にドローンは技術的には実用可能なレベルにまで開発が進んでいます。また、IoTを駆使した倉庫内の在庫管理や輸送の効率化によって、労働力不足の解消、資源やエネルギーの有効活用がさらに促進されることでしょう。

医療分野におけるIoT(IoMT)

医療分野におけるIoT(IoMT)

医療分野におけるIoTでは、着用型ウェアラブルデバイスが活躍中です。着用型ウェアラブルデバイスによる自分の健康状態の記録・管理、医師との共有は、健康管理に役立ちます。健康状態が悪化した際に注意のアラートを出すデバイスもあります。医療のIoT化による健康管理で、病気の予防と効率的な治療が可能になります。

また、最近ではより医療に特化した考えのIoMT(Internet of Medical Things)が提唱されています。IoMTとは、医療機器とヘルスケアのITシステムをオンラインを通じてつなぐという概念です。
例えば、アメリカの大手医療機器メーカーは、自律した通信機能を持つ心臓ペースメーカーを開発。患者の生体データを収集・蓄積し、自動的に医療機関に送信するサービスを提供しています。これにより医師は患者の状態をリアルタイムで遠隔モニタリングすることが可能になり、より効率的かつ正確な診断の提供が可能になりました。また、誤診リスクの大幅な低減にも貢献しています。

農業におけるIoT

ITとはほど遠い印象がある農業でも、IoT化が進んでいます。例えば、ハウス栽培における水やりや肥料の自動システムはIoTの一環です。ただ水や肥料を与えるのではなく、農地に取り付けたセンサーで読み取った日射量や土壌の状況をもとに、水や肥料の量や与えるタイミングを計ります。IoTを農業に活用することにより、節水栽培を可能にしています。農業の担い手不足が進み、より効率的な生産が必要とされる日本の農業分野では、IoTの重要性が高まっています。

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IoTの将来

将来性

IoT活用は業界を問わず様々なところで進んでおり、今後もIoT化の勢いは、ますます加速していくことが予想されます。 それに伴い、現在IoTの開発にかかわるエンジニアの需要も高まってきています。

総務省が発表した「情報通信白書(平成29年版)」では、IoTにより社会改革が進展する場合(経済成長シナリオ)と、IoTによる改革実施の状況が2016年から2030年までの間で変化しない場合(ベースシナリオ)とでは、2030年時点で経済成長のインパクト(市場規模)に271兆円もの差が出ると試算されています(経済成長シナリオで1495兆円に対し、ベースシナリオでは1224兆円)。
このことからも、IoTが経済に与える影響の大きさをうかがうことができます。

IoTとセキュリティ

IoTとセキュリティ

IoT産業の発展を受け、インターネットに接続される機器の数は増加の一途をたどっています。IPA(情報処理推進機構)によると、2020年には家電、防犯機器、自動車、医療機器など、200億を超える様々な「モノ」のつながりが形成されるそうです。一見すると便利なようですが、これらの「モノ」によって、私たちのプライバシーに関わる重要な情報がやりとりされていることを考えると、適切なセキュリティ対策が喫緊の課題と言えます。

特に、企業は顧客情報や開発中の商品情報など重要な「情報資産」を保有しています。不正アクセスや機密漏えい、データの改ざんなどを防いで情報資産を維持管理することは、世界的に認識された重要な経営課題です。

情報資産や顧客からの信頼を逸失しないためにも、今後は一層の対策が求められます。情報システムなどの管理部門が、プログラミングやサーバーに関する知識をブラッシュアップし、より堅固な情報保護体制を整えましょう。また、システム管理部門以外の一般社員も日々の業務での「うっかり」などのヒューマンエラーを防ぐために、ITリテラシーを身に着けることが求められます。

IoTの開発で必要とされるエンジニアとは?

IoTの開発で必要とされるエンジニアとは?

IoT開発の技術は組み込み系エンジニアとWeb系エンジニアのどちらにも影響していくでしょう。組み込み系エンジニアは、機械製品の中に内蔵する特定の機能を制御するためのコンピュータシステムを開発します。この組み込みシステムは私たちの身の回りにある機械になくてはならない重要なものです。Web系のエンジニアは、ユーザーがIoT機器の操作を行うための画面レイアウトを作成したり、機器に内蔵された制御コンピュータに命令を送るプログラムを作成したりします。

上記のように、IoT化は業界を問わずに進んでいるので、IoT開発に携わるエンジニアは今後ますます幅広い業界で必要とされていきます。IoT開発に必要な知識を持つエンジニアには、特定の業界にとどまることなく、幅広いフィールドで活躍するチャンスがあると言えるでしょう。

IoTは日進月歩で進化しています。IoT開発の人材として必要とされるか否かは、いかに新しい技術情報をキャッチアップし続けられるかにかかっています。

IoTの開発の知識を身に付けるには

IoTの開発の知識を身に付けるには

IoTは先進性の高い分野であるため、より最新の現場で通用するような知識を身に付けることが重要です。独学でもある程度勉強できますが、IoT機器を用意したり、学習用に環境を整備したりすることが難しいため、IoTに精通したIT専門の研修機関などを利用するのが効率的です。また、IoTサービスを考える場合、そもそも土台となるプログラミングを学ぶことも必要不可欠であり、それらを体系的に学ぶ機会も必要です。

インターネット・アカデミーでは、先述したIoT家電・スマートハウスなどで用いられているECHONET Liteを扱ったIoT技術や、それに関連するさまざまな技術の研修を提供しています。

ECHONET Liteの開発・普及を行うエコーネットコンソーシアムの認定教育機関であると同時に、カリキュラムの共同開発も行っていますので、最先端のIoT技術を学ぶことができます。

IoTの技術習得やリテラシー向上を検討している方は、コンサルタントへの無料相談もできますのでぜひお気軽にインターネットアカデミーまでお問い合わせください。

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