人材育成PMBOKとは?プロジェクト達成のための世界標準知識を学ぼう

2021/09/09
PMBOKとは?プロジェクト達成のための世界標準知識を学ぼう

業務を円滑に進め、期限内に成果を出すためには、「プロジェクトマネジメント」の知識が欠かせません。 この記事では、プロジェクトマネジメントを正しく進めていく方法を体系的にまとめた「PMBOK」と、プロジェクトマネジメントの知識を問う資格試験「PMP」についてご紹介します。プロジェクトマネジメントを理解してプロジェクトを成功させたい方、ビジネスでさらなる成果を上げたい方は、ぜひご覧ください。

AIちゃん

PMBOK・・・初めてきいた単語だわ。ピンボックって読むのかしら?

有村先生

プロジェクトマネジメントの知識は、ITに限らず様々なプロジェクトで活用できるため、ビジネス知識として研修で学ぼうという企業も増えています。

目次

プロジェクトマネジメントとは

プロジェクトマネジメントとは

プロジェクトマネジメントとは、期限や予算といった制約の中でプロジェクトを予定通りに遂行していくために、計画を立てたり、実務を管理したりすることを言います。アメリカの労働統計局は、2016年から2026年の間にプロジェクトマネージャーの雇用は約12パーセント増えると予測しており、ビジネスを行う上でプロジェクトマネジメントの重要性は年々高まっています。

オックスフォード大学のオズボーン教授によると、今後日本の労働人口の約半分が、高い確率でAIに取って代わられるそうです。この要因は、日本では一般的にAIに代替される可能性の高い業務と言われている一般事務や経理、コールセンターなどのルーチン業務に従事する雇用者数が多いことに要因があります。一方、プロジェクトマネジメントの知識が問われるような、リーダーシップや創造性を必要とする仕事についてはAIに代替されにくいと言われています。
また、国家資格「プロジェクトマネージャー試験」については、日経BPの調査によると「技術職の社員に取らせたいIT資格」に2006年以降毎年1位を獲得し続けているほど、人気資格でもあります。

参考URL

OCCUPATIONAL OUTLOOK BOOK Computer and Information Systems Managers AIと共存する未来~AI時代の人材 厚生労働省

PMBOKとは

「PMBOK(Project Management Body of Knowledge)」とは、プロジェクトマネジメントに関する知識を体系的にまとめた参考書のようなもので、通称は「ピンボック」です。PMBOKはアメリカの「PMI」というプロジェクトマネジメントの普及拡大を目的とした非営利団体によって作られました。現在では、PMBOKはプロジェクトマネジメントの世界標準となっています。

AIちゃん

世界標準の参考書なのね!勉強したことが世界で通用するのは嬉しいわ♪

PMBOKの目標

PMBOKの目標は、「QCD(品質、費用、納期)」の管理です。 QCDの管理とは、「可能な限り高品質で、低コストで、納期を早く」という目的を掲げ、それを実現するために計画を立て、実行することです。PMBOKは、このQCDの管理を成功させるためには2つ重要な要素があるとしています。 1つ目は、「5つのプロセス」と呼ばれる過程を確実に実行していくことです。 2つ目は、「10個の知識エリア」と呼ばれる知識を理解することです。 次の章では、初めに「5つのプロセス」について解説していきます。

QCDの管理達成のための5つのプロセス

QCDの管理達成のための5つのプロセス

PMBOKでは、プロジェクトの開始から終結までの流れを「立ち上げ」→「計画」→「実行」→「監視・コントロール」→「終結」という5つのプロセスに分割し、定義しています。それぞれのプロセスの概要は、下記の通りです。

1.立ち上げプロセス

プロジェクトの開始前に、その認可を得るプロセスが「立ち上げプロセス」です。 プロジェクトに必要な情報であるプロジェクトの目的、目標、予算、成果を定義し、プロジェクト憲章の作成とステークホルダー(利害関係者)の特定を行います。

2.計画プロセス

計画プロセスは、プロジェクトの目的、目標を達成するための作業計画を立案し、作成するというプロセスで、同プロセスの中にさらに20もの詳細なプロセスが定義されています。このとき、目標の定義と洗練や、プロジェクト実行時の一連の行動の流れも含めて規定します。

3.実行プロセス

実行プロセスは、立案した計画に基づいて人員と資源を調整し、プロジェクトを実行するというプロセスです。もっとも資源を消費するプロセスであり、実行の結果によっては計画を更新し、ベースラインを再設定する必要があります。

4.監視・コントロールプロセス

このプロセスは、プロジェクト実施中の作業について、計画と差異が発生していないかを継続的にチェックして、差異が検出されたならば、その是正を行います。

5.終結プロセス

終結プロセスは、所定のプロセスが完了していることを検証し、プロジェクトやフェーズを公式に終結させるプロセスです。ただ終了をするだけでなく、プロジェクト実行において獲得した情報や経験を保管し、次のプロジェクトに役立てることが重要とされています。

次に、5つのプロセスを実行していくために必要な、10個の知識エリアと呼ばれる分野を紹介します。

PMBOKの10の知識エリア

プロジェクトマネジメントを行う上で必要な知識を、10に分割し定義したのが「10の知識エリア」です。これらの知識エリアは、先に紹介した5つのすべてのプロセスにおいて必要なものもあれば、一部のプロセスにおいて必要なものもあります。

統合マネジメント

プロジェクト全体の方針を決め、調整する分野が「統合マネジメント」です。他の9つの知識エリアを統合し、マネジメントする位置づけにあります。

スコープマネジメント

スコープマネジメントは、プロジェクトの範囲(=スコープ)を定めた上で、プロジェクトの目標を達成するために必要な成果物とタスクを定義し、目標達成を確実に行うための分野です。プロジェクトの成否に影響する最重要項目とも言われています。

スケジュールマネジメント

時間当たりの生産性を高めるために時間の管理をする分野がスケジュールマネジメントです。2017年PMBOK第6版のリリースに伴って、「タイムマネジメント」から、「スケジュールマネジメント」に名称が変更されました。

コストマネジメント

プロジェクトを予算内で完了させるために必要なコストの見積もりや予算設定、コントロールをするのがコストマネジメントです。現実的な予算を設定し、予算を超過しないようにマネジメントを行います。

品質マネジメント

プロジェクトのプロセスや、プロジェクトによってできた成果物の品質の管理をする分野が品質マネジメントです。プロジェクトの品質とは、成果物がクライアントの要求に一致しており、使用に適していることを指します。

資源マネジメント

プロジェクトの目的を達成するために人材だけでなく物的資源を調達・管理し、プロジェクトを遂行できるチームを組織する分野が資源マネジメントです。

2017年PMBOK第6版のリリースに伴って、「人的資源マネジメント」から「資源マネジメント」へ、名称と内容が変更されました。

コミュニケーションマネジメント

コミュニケーションマネジメントは、ステークホルダー(利害関係者)との適切なコミュニケーションを行うために必要であり、具体的にはプロジェクト情報の生成、収集、配布、保管、検索、最終的な廃棄を行います。ポイントとしては、ただ伝達すればいいわけではなく、相手の理解を得るところまでが求められます。

リスクマネジメント

リスクとは、安全かどうかが不確実なものを指します。リスクを避けてばかりいるとチャンスが得られない可能性も高く、リスクは必ずしも悪いものではありません。そこで、プロジェクトにとってマイナスになるリスクを予防し、コントロールしながら継続的に管理、調整する必要があります。

調達マネジメント

作業の実行に必要なプロダクト、サービス、所産をプロジェクト・チームの外部から購入または取得する際に、業者の管理をすることを調達マネジメントと定義しています。調達には契約がつきものですが、契約だけがこの領域の目的ではありません。選定から納品の進捗管理、検収まで、調達に必要なすべての管理を行います。

ステークホルダーマネジメント

ステークホルダー(利害関係者)にとって必要な情報を収集し、その保管・伝達を管理する分野がステークホルダーマネジメントです。 2012年公開のPMBOKガイド第5版で、コミュニケージョンマネジメントから独立して新設された知識エリアです。

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PMP試験とは

PMP試験とは

プロジェクトマネジメントを学んだ人が、そのスキルを客観的に証明するために受験している資格試験が「PMP試験」です。PMPは、PMBOKを策定しているPMI本部が提供している国際資格で、IT業界をはじめあらゆる業界でプロジェクトマネジメントスキルの評価基準として利用しています。
ここでは、そのPMP試験についての基本事項を解説していきます。

出題範囲

PMPR 試験内容の概要についてはPMI本部Webサイトの PMP Exam Preparationページ で提供されている PMP Exam Content Outlines(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル PMPR 試験内容の概要)を確認してください。2021年9月現在、最新の試験内容の概要は、2021年1月に公開されています。

有村先生

日本語版の試験概要ファイルもありますよ!

出題分野 出題割合
42%
プロセス 50%
ビジネス環境 8%

「PMP Exam Content Outlines(日本語版)」によると、下記のような記述があります。

試験の約半分は予測型プロジェクトマネジメント・アプローチに関するもので、残り半分はアジャイル・アプローチまたはハイブリッド・アプローチに関するものです。 日本語版の試験概要ファイル

受験資格

PMP 受験資格を取得するには、一定の学歴と職歴の要件を満たす必要があります。たとえば、 4 年制大学卒業(学士号または海外の同等資格)を得ている方であれば、「3 年/36 か月以上にわたる、 一意かつ 重複しないプロジェクトマネジメントの実務経験」が求められます。学歴によって求められる実務経験量が変わる、という特徴があります。

試験形式

230分で180問の選択式(4者択一問題)で、コンピュータによる試験です。 180 の問題のうち、5 つは予備問題です。予備問題はスコアに影響せず、将来の試験問題の有効性をテストする、効果的かつ合理的な方法として採用されています。

PMP取得によって期待できる効果

PMPを取得すると、プロジェクトマネジメントの技術や知識を客観的に証明することができます。このことが、企業内での評価の向上、ひいてはキャリアアップにつながることが期待できます。
また、2018年PMI(プロジェクトマネジメントの普及拡大を目的としたアメリカの非営利団体)の収入力調査によると、PMP取得者とPMP未取得者を比べた際、PMP取得者のほうが、約23%収入が高かったという結果が出ています。
このように、PMPを取得すれば、収入の向上も期待することができます。

おわりに

プロジェクトマネジメントを体系的にまとめた「PMBOK」を学ぶこと、そしてその知識を証明するPMP試験に合格することは、業務成果の向上はもちろん、キャリアアップにもつながるでしょう。また、プロジェクトリーダーを任せたい中堅層以上の社員に対し、プロジェクトマネジメントの研修を実施することで、より企業の目標達成や業績の向上にも良い影響を与えることが期待できます。

IT研修を専門で行う教育機関のインターネット・アカデミーでは、プロジェクトマネジメントの法人向け研修プログラムをご用意しています。研修の実施により、プロジェクトマネジメントに関する知識が増えるだけでなく、PMPテストの受験条件もクリアすることができます。
より優秀なプロジェクトマネージャーを育成したいとお考えの人事担当者の方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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