人材育成リスキルでデジタル人材を育成する企業の事例
2022/11/22
近年、様々な企業がリスキル(リスキリング)に取り組んでいる事例が取り上げられています。
日本経済新聞がまとめた2022年の「スマートワーク経営調査」では、AIを使いこなせる人材をリスキルで育成する主要企業が140社に達したと発表されています。日本企業においてデジタル人材の不足は深刻な課題となっていますが、特にAIを活用できる人材の育成に力を入れている企業が多いようです。
今回の記事では、リスキルでデジタル人材不足を解消する取り組みをしている企業の事例を紹介します。
目次
リスキルとは?リカレント教育との違い
本題に入る前に、リスキルという言葉の定義について触れます。「リスキル(リスキリング)」と似たような言葉として「リカレント教育」がありますが、人事担当の方が社員のリスキルを検討するうえで混同しないよう、これらの言葉が示すところを正しく理解しておくとよいでしょう。
リスキル(リスキリング)とは
経済産業省の「リスキリングとは-DX時代の人材戦略と世界の潮流-」では、次のように定義されています。
近年では、あらゆる業種・職種でデジタル技術がビジネスに用いられています。どの企業でも行われている業務上のコミュニケーションや広報・宣伝活動といった場面でも様々なデジタル技術やツールが用いられています。
また、たとえば工場や製造現場などでも、センサー技術やAIを用いた製品管理システムなどが活用されるケースも増えてきています。
こうしたDX時代の背景もあり、経済産業省では「特にデジタル化と同時に生まれる新しい職業や、仕事の進め方が大幅に変わるであろう職業につくためのスキル習得」に主眼を置いています。
リカレント教育とは
一方の「リカレント教育」は、一度仕事を離れて新しいことを学び、再び仕事に就くというサイクルが前提となっています。また、学習内容も個人の興味関心に基づくため、人事担当の立場からは推奨しにくいのではないでしょうか。
リスキルに取り組む企業の事例
日本経済新聞では、大手企業が取り組んでいるリスキルの記事が頻繁に取り上げられています。2022年11月4日の記事では、次のようなリスキルの事例が紹介されていました。
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三井住友トラスト・ホールディングス
新入社員を高度なAI知識を学ぶための半年間の研修に派遣。既存の事業の効率化や新事業に必要な技術を目指している。
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ソフトバンク
全社的なAI人材を目指し、22年1月に開始した基礎講座では社員の4割が受講。研修を充実させることで現場でのAIの活用を促している。
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資生堂
デジタル事業に特化する子会社でAIやセキュリティの研修を行っている。21年度の一人当たり研修時間が前年比で2.5倍になった。
これらの事例では、専門的なデジタル技術を扱う部門が社内にあったり、グループ会社がデジタル事業を行っているケースが多いようです。社内での教育が難しい場合は、外部の研修機関に依頼することでデジタル人材の育成を行うことができます。
リスキルで業務改善が進んだケース
インターネット・アカデミーでも、リスキルのためのIT研修を行っており、業務でAIを活用するためにリスキルをされた事例を紹介します。
レインボーブリッジなどの大型橋梁を多数手がけてきた橋梁のトップメーカーである横河ブリッジ様は、インターネット・アカデミーでIT・AIの基礎を学ぶ研修をご利用いただきました。
受講者は橋梁の生産工程の計画立案・作業効率化を担う若手社員の方々で、「AIを使って何ができるのかを知り、現場に対応した知識を得ること」を目的としていました。そのインタビューの一部を紹介します。
DX・AI化で属人的だった業務の改善を図る

日常の業務の中で、繰り返し生じている作業の効率化や、生産計画に必須となる予想工数の算出等がDX化のイメージとしてありました。また、個人の経験に頼っている業務が多々あり、これらに対してAI技術を導入することで、定量的判断ができるのではないかと考えました。IT技術を活用することで、作業の効率化と平準化を図る、これこそがDX化で実現したかったことでした。
ITリテラシーとAIプログラミングの研修を受講させていただきましたが、AIプログラミング講座は初めて聞く話が多くあり、大変勉強になりました。またこの講座で2人の研修講師にお世話になったのですが、IT技術が日常生活でどのように活用されているのか、お二人とも講義がわかりやすく、丁寧に説明してくださいました。
研修前は社員がITの基礎知識を学び、用語を少し理解できるレベルになっていれば十分だと考えていました。しかし研修後は、当初の予想をはるかに超えて、社員たちがIT技術を活用し社内の業務効率を向上させるアイデアを提案してくれるようになったのです。最近でいうと、オンラインのコミュニケーションツールを利用して、他部署にも情報共有ができる仕組みを作る動きが社内で広がっています。このようにインターネット・アカデミーの研修を受講したことで、社員の意識が変わりIT技術の活用が進みました。
すべてのインタビューをみるリスキルで社員をデジタル人材に
ここでは、横河ブリッジ様の事例を紹介しましたが、その他にも多くの企業のリスキルの支援の実績があります。
AIなどの先端テクノロジーはもちろん、たとえば、非IT職の方がWeb制作技術やプログラミングの技術を学ぶことで、専門部署の立ち上げや転属を行ったケースなどもあります。
インターネット・アカデミーでは、クライアントの業務の課題に合わせたカリキュラムのカスタマイズにも対応しています。
- 非IT職の社員を、自社のデジタル技術の部門に配属するうえで必要なスキルを身につけさせたい
- 全社的なITスキルの底上げをして、業務効率化や新事業の立ち上げをできるようにしたい
こうしたお悩みや課題がありましたら、インターネット・アカデミーのコンサルタントにお気軽にご相談ください。
リスキルについてコンサルタントに相談するこの記事の執筆者

インターネット・アカデミー ITビジネスサプリ編集部
インターネット・アカデミーは、IT研修・ITトレーニングなど法人向け研修サービスの提供と、就職・転職などの社会人向け通学制スクールの運営を行っている教育機関です。グループ企業を含めると、「制作」「人材サービス」「教育」の3つの事業のノウハウをもとに、ITビジネスを行う現場担当者の皆様にとって役立つ情報を発信しています。
監修者

インターネット・アカデミー 有村 克己
「カシオ計算機」「小学館」などの大手企業研修をはじめ、神奈川工科大学やエコーネットフォーラムでの講演など、産学連携活動にも従事。エコーネットコンソーシアム「ECHONET 2.0技術セミナー検討WG」委員。
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