IT技術・戦略システム開発の発注トラブルとその回避策を紹介

2023/03/28
システム開発の発注トラブルとその回避策を紹介

今日Chat GPTなどを筆頭にIT分野の技術革新には著しいものがあり、多くの企業ではこれらのデジタル技術を積極的に活用して事業改革にとりくんでいこうとするDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する試みが活発化してきています。そのような中、DXへの足がかりとして、まずは社内システムのデジタル化を通した業務の効率化を目指す、という企業も少なくないでしょう。手始めに社内システムの開発などを試みるという際に、外部の開発ベンダーに事業の発注をするというケースも考えられます。

本記事では、そのような場合に想定されるトラブルやトラブルを回避するために必要なベンダーマネジメントのスキルについて紹介していきます。

目次

ITエンジニア不足とシステムの外部発注

各国のIT技術者数(左図)と技術者増加数(右図) (出典:IPA)

まずは国内の多くの企業でDXを目指した取り組みが活発化しているなか、DX推進にあたって非常に重要な働きが期待されるITエンジニアの不足状況について、改めて確認しましょう。実はヒューマンソリシアによる「2022年度版:データで見る世界のITエンジニアレポート vol.5」を参照すると、日本国内のITエンジニアの数は世界でも4位、増加率においても3位と数としては決して少ないわけではないことがわかります。しかし、就業者に占めるIT技術者の割合に関してみてみると世界37位と大きく順位をおとしており、まだまだ全体的な技術者の母数を底上げする余地があることもわかります。

またIPA(情報処理推進機構)の統計によると、2017年時点では日本国内のIT人材は他のIT先進国と比較した際にIT関連企業に偏在する傾向がみられたことがわかっています。そのデータによるとIT人材が従事する企業のうちIT関連企業が占める割合は、米国34.5%に対し日本は72%となっており、日本国内ではIT人材がIT関連企業に偏在する傾向が強かったことがわかります。残念ながらこの傾向は現在でも大きく変わっているとは言い難く、IPAによる『DX白書2023』を参照しても日本の企業は自ら技術者を育成しようとする試みの割合が米国と比較して低くなっており、依然DX推進を目指しているようなほとんどの企業がITエンジニアの不足に頭を悩ませています。

このようなIT技術者の偏在と慢性的な不足の現状があるため、DX推進を目指す多くの企業は外部の開発ベンダーに依頼して社内システムの開発などを試みる、という選択肢を選ぶのだと考えられます。

システム開発発注の際に想定されるトラブル

本章では具体的に開発ベンダーと協力してシステム開発を行う際によくあるトラブルと、その原因について紹介していきます。システム開発を外部に依頼する場合は、以下のようなトラブルのリスクを最小限におさえる必要があります。

求めているシステム要件を満たさないものが納品される

出所:ESK株式会社より

意外とよくある問題として、発注者側が本来求めているようなシステムとは違ったシステムを受注者側が開発してしまう、という事例があげられます。この問題は多くの場合、システム開発上流の要件定義が正しく行えていないことによっています。要件定義が正しく行えない背景には発注者側の知識不足もあり、そもそも発注者側の意図が正しく伝えられない、といった原因が考えられることもあります。要件定義の段階での認識の祖語をできるだけ排除することが、システム開発を成功させるためには非常に重要です。

開発コストや期間が大幅に増えてしまう

開発の要件定義などの初期段階で想定されていたコストや開発期間が、開発フローが進むにつれどんどん増えてしまう、といった問題もよく見受けられます。実際にこのような問題から途中でシステム開発を断念し、億単位の損失を出してしまっている企業も複数存在します。こちらについても根本的な原因は先ほどと同じで、発注者と開発者の間でのコミュニケーションに問題があり達成目標などの情報共有も上手くいかないために引き起こされる問題であると考えることができます。

トラブル回避のためのベンダーマネジメントスキル

前章で紹介したようなシステム開発の外部発注にともなうトラブルを回避して目標を達成するために必要なスキルセットを、まとめてベンダーマネジメントスキルということができます。DX推進の足がかりとして、システムを外部発注する際にはシステム会社に丸投げするのではなく、必ず自社社員が責任をもってそのプロジェクトをマネジメントする必要があります。

より具体的には、そもそものDXやIT技術の基礎やシステム開発に用いられるツールに関する理解をもち円滑に開発者側とコミュニケーションし意図を正確に伝えられること、自社の開発目標を明確化したうえでニーズにあったパートナーを選定できること、実際の開発フローの全体像やプロジェクト管理がどのように行われているかをしっかり理解したうえで期限通りに開発を進めていくためにベンダーと緊密なコミュニケーションをとっていくこと、などのスキルが求められることになります。

逆にいうのであればこれらのスキルをまとめて学習し身に着けることができれば、失敗のリスクを抑えながらシステム開発を発注しDX推進の加速につなげていくことが期待できます。

システム発注の必要性からITリテラシーを身に着けた事例

インターネット・アカデミーのIT研修は、多くの企業にご利用いただいています。今回は、社員のシステム会社へのシステム発注時に自社側の知識の重要性を感じITリテラシーの習得を目指した企業の事例を紹介します。

株式会社横河ブリッジ

弊社は橋梁業界のリーディングカンパニーとして、社会のインフラを支え続け2017年に創業110周年を迎えました。橋梁業界やインフラ業界は職人肌が強く、昔ながらのやり方を踏襲していくという風潮がありましたが、新型コロナの流行を契機に世間で広くIT化・DXへの関心が高まる中、弊社でも作業効率向上のためにDX推進の動きがありました。しかし、いざDX化を検討しようとした際に、最初の一歩をどう踏み出せばよいのか分からない状態でした。踏み込んだシステムの導入などは、専門業者へ委託を考えておりましたが、我々の導入イメージを正確に伝えるための「ITの基礎知識」が不足していることに気が付きました。こうした経緯から、まずITの基礎知識を学べる研修機関はないかと探していたところ、インターネット・アカデミーにたどり着きました。

インターネット・アカデミーでは、お客様の状況や要望に合わせたデジタル人材育成の研修を提供しています。自社DX推進のためにデジタル人材育成の研修を検討している方は、お気軽にご相談ください。

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