人材育成【企業研修】集合研修とオンライン研修はどちらがいい?IT研修の効果を高める方法とは
2021/09/21 (2022/08/30更新)社員教育では、昨今、集合研修のほかオンライン学習形式(eラーニング)など、多様な研修形式を選ぶことが出来るようになっています。中でも集合研修とオンライン研修の両方を組み合わせた研修スタイルが増加しています。
とはいっても、オンライン研修が代替できる領域は限定的とも言われています。そこで今回は、集団研修のメリット・デメリットと、成果につながる研修プログラム企画のポイントをご紹介します。
目次
集合研修をどう補完する?オンライン研修のメリット・デメリット
オンライン研修には、主に以下のようなメリット・デメリットがあります。
オンライン研修は、PCを使って個別で受講する形式のため、研修のためのスペースやまとまった時間の確保が不要となりコストを抑えることが出来ます。また、遠方にいる社員など幅広い対象者に対して実施が可能です。
受講者は、内容やレベルを選択できたり、理解するまで繰り返し受講ができたりする上、時間の融通が利く分、自分のペースで学習を進められます。
デメリットとしては主に以下の内容が挙げられます。
個人で学習を進める形式のため、知識の付与が中心の学習方法になる傾向があります。そのため、教育研修の全てをオンラインに置き換えるというよりも、内容や身につけたいスキルによってオンライン研修と集合研修を使い分けるブレンディッド・ラーニング(Blended learning)と呼ばれるスタイルも、企業研修で多く用いられます。
個々人で時間を見つけて学習するオンライン研修は、その場で質問が出来なかったり他者からのフィードバックが得られなかったりするため、モチベーションの維持が難しいと言われます。
集合研修でしか得られないメリットとは?
集合研修といえば、業務外の場で講師が研修対象者を直接教えるスタイルです。受講者と講師が対面して行うことから、コストもかかる分集合研修でしか得られない以下のようなメリットがあります。
同じ空間に集まることで、受講者との相互啓発や、横のつながりが広がることによる、モチベーションの向上が期待できます。
集合研修のメリットとしては、体系的に技術スキル・知識を学べ、その場で質疑応答ができるため理解を深めやすいという特長があります。実践的な内容をバランス良く取り入れると、業務に直結するスキルを身につけることが可能です。
講師と相互にフィードバックし合えるので、受講者の知識レベルや理解度に合わせて学習を進めることができます。スキルの習得度合いや受講態度など、講師からの評価を可視化できれば今後の社員の育成にも役立てることが出来ます。
デメリットとしては、主に以下の2点が挙げられます。
講師の確保や、参加者が通常業務を離れること、スケジュール調整に起因するコストがかかります。また、会場の広さから受講人数に制約が出たり、人数に応じて講師を増やす場合はその分、コストが増えることもあります。
大人数が集まる研修の場合、場所の選定からスケジュール調整、そして研修内容の企画などと、有意義な研修とするためにも、準備にある程度の日数を要します。
集合研修はオンライン研修に比べてコストが高くなりがちです。しかし、メリットで挙げた内容から分かるように適切な研修プログラムを企画することができれば、人材育成の成果を出しやすく、費用対効果が高い研修形式でもあります。
集合研修の費用対効果を高めるには?
企画・実施に多くのエネルギーを要する集合研修ですが、その効果を最大限に発揮するにはどのような工夫が必要なのでしょうか。 集合研修で目的とすべきなのは、スキルの習得だけではありません。集合研修は、他者との共同作業や実践など、ビジネスに欠かせないプロセスが学べる場なのです。しかしながら、人手不足により研修制度の充実に手が回らず、集合研修の成果や満足度に課題を抱える企業は少なくありません。
リクルートマネジメントソリューションズの調査「人材開発実態調査 2017」によると、集合研修の効果向上の取り組みは、研修企画・研修前の働きかけ・研修の場の設計・フォローにおいて「不十分」と感じている人が、約半分の項目で過半数を占めています。 では、集合研修の費用対効果を高めるにはどのようなポイントを意識すれば良いのでしょうか。
集合研修だからこその目的を設定
何をどのように学ぶかで研修内容の理解度や達成度、業務への貢献度が大きく変わります。まずは、自社で「求められる人材像」に基づいて目標を定め、集合研修に以下のような目的をもたせると良いでしょう。
実践力を身につける
知識・スキルの習得と合わせて、応用力までが身につくように研修プログラムを組めば、実際の業務やOJTとの接続がスムーズとなります。集合研修は、講義形式のほかケース・スタディやロールプレイング、ディスカッションなどの方法を適宜取り入れることで実践力・応用力アップが期待できます。
社員同士のコミュニケーション・意見交換
集合研修の場には、配属先や通常業務の中では話す機会が少ないメンバーとコミュニケーションを取ることができます。会社の仲間と仕事の仕方や考え方などの意見交換をし、ネットワークを拡大できるよう配慮された研修プログラムがオススメです。
専門の教育機関で実施する
人材不足やノウハウの不足から、社内で集合研修をゼロから企画して実施することに難しさを感じている方は多いのではないでしょうか。実際、厚生労働省の平成28年度「能力開発基本調査」によると、人材育成の問題点として「指導する人材が不足している」ことが、最も多く挙げられています。
社内のリソース・時間を割くことなく効率的に実施するためには、集合研修を外部の専門機関に委託して実施する方法がおすすめです。
メリット1:社員の時間を割かない
社内で集合研修を行うとなると、多くの企業では指導する人材が足りないのが現状です。外部の専門講師が研修を担当することで、通常業務を抱える社員の負担増加を避けることが可能です。また、外部講師から客観的なフィードバックを得ることもできます。
メリット2:体系的なカリキュラムが用意されている
外部の研修期間に委託して集合研修を実施すれば、体系的なカリキュラムが予め用意されているだけでなく、最適な研修内容をプロに相談しながら組むこともできます。
また、集合研修で高い効果を得るためには、教育の専門家から学ぶことが有効な方法です。経験豊富な講師は、技術や知識を伝えるスキルだけでなく、受講者のモチベーションを保ちながら進めるスキルに長けているためです。さらに、受講者の知識レベルがバラバラであっても、全員のスキルを底上げする研修形式やサポートを活用すれば、研修の効果を最大限に高めることが出来ます。もちろん、研修期間によって内容や質は異なるので、体験授業やセミナー等で、実際に体感してみると良いでしょう。
【事例紹介】集合研修で社員間のつながりを強める
ここでは、Web・IT専門の教育機関インターネット・アカデミーでの研修事例をご紹介します。株式会社フォーカスシステムズ様は、新入社員向けのJava研修をインターネット・アカデミーに依頼されました。実施後のインタビューでは、人材育成のために集合研修を選択された理由についてもお話しくださいました。
社員数が1,000名超という弊社の規模からしても、社員同士が顔を合わせる意義は大きく、その観点で「集合研修」の形式は絶対と考えていました。 インターネット・アカデミーの研修担当者の方は、その目的をよく理解して下さり、プログラムに反映していただきました。
オンラインと集合研修の利点を両立する
集合研修のメリット・デメリットと、効果的な研修にするためのポイントをご紹介しました。集合研修のほうが学習効果が高いものの、コロナ禍で実施自体が難しかったり、業務で多忙な社員の方がまとまった時間をとるのが難しいケースもあります。
インターネット・アカデミーでは、長年の教育ノウハウをもとに学習効果を最大限に高めるための「リアルタイムのオンライン研修」を行っています。
講師にインタラクティブに質問ができるのはもちろん、画面共有などをしながら研修内でさまざまな演習を行うことで、従来の集合研修と同様に高い学習効果のあるサービスを提供しています。
また、まとまった時間をとるのが難しい企業様には、自由に受けられるeラーニングとリアルタイムのオンライン研修の併用や、1~2日程度の短期集中講座を提案しています。インターネット・アカデミーでは、企業ごとの状況に合わせて、負担を最小限にしつつ学習効果を最大限に高めるためのご提案をしていますので、研修にお悩みの方はお気軽にご相談ください。
この記事の執筆者
インターネット・アカデミー ITビジネスサプリ編集部
インターネット・アカデミーは、IT研修・ITトレーニングなど法人向け研修サービスの提供と、就職・転職などの社会人向け通学制スクールの運営を行っている教育機関です。グループ企業を含めると、「制作」「人材サービス」「教育」の3つの事業のノウハウをもとに、ITビジネスを行う現場担当者の皆様にとって役立つ情報を発信しています。
監修者
インターネット・アカデミー 有村 克己
「カシオ計算機」「小学館」などの大手企業研修をはじめ、神奈川工科大学やエコーネットフォーラムでの講演など、産学連携活動にも従事。エコーネットコンソーシアム「ECHONET 2.0技術セミナー検討WG」委員。
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