人材育成ITパスポート試験を社員が取得するメリットとは?
2022/11/20
近年急速なIT化にともない、多くの企業でDXを進めていくことが課題となっています。そんな中、社員のモチベーション維持のための目標やITリテラシー向上の目に見える成果として、IT教育をうける社員になにか資格を取らせておきたいという企業も少なくないでしょう。
IT系の資格にもさまざまあり、その中でも全ての社会人が備えておくべき基本的なIT知識を証明するITパスポートという資格があります。本記事ではITパスポートに注目して、具体的にどのような資格で取得にどのようなメリットがあるかなど、についてご紹介します。
目次
ITパスポートとは?

本章では、ITパスポートの取得を目指す前に、改めてITパスポートとはどういう資格なのかを簡単に確認しましょう。
ITパスポートとは、デジタル技術が大きく広がっている現在、ITを利用するすべての社会人や学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験として位置付けられています。 2009年の開始以来、受験者数も年々増加しており、社会人やこれから社会人となる学生など幅広い層から支持されています。また今日では、企業が社員育成のためにこの試験を利用するというケースもよく見られます。
このパスポートを取得した人には、各々の担当業務においてITを活用して業務の問題解決や情報収集を行ったりする能力を期待できるようになるとされています。
ITパスポート取得のメリット
ここでは、具体的に資格の取得をすることで期待されるメリットについてご紹介します。社員の資格取得を達成することで、個人のレベルにとどまらず企業としても様々なメリットを期待できることがわかります。
幅広い分野の基礎知識の取得
試験勉強を通じて、情報システム・ネットワーク・データベースなど業務に必要な基礎知識を幅広く身に着けることができます。これにより社内でのコミュニケーションの円滑化が期待されます。また、情報のセキュリティやモラル・法令などについての理解も深まるため、社内全体での情報セキュリティ強化や企業コンプライアンス向上・法令遵守などにもつながります。
組織のIT力向上
社員一人ひとりがIT力を身に着けることで、ITを活用した業務の効率化や事業の拡大などを行う環境が整います。そのほかにも、意図せぬ情報漏洩などの企業リスクへの対策にもつながります。
更なるIT技術向上の足掛かりとなる
社内全体のITリテラシーを高めるだけでなく、ITパスポートに求められる知識を身に着けることでより専門的なエンジニアのような人材に求められる知識や技術習得の足がかりとなります。
ITパスポート試験概要
ここでは具体的にITパスポートの試験について、開催期間や受験者数、合格率などの受験に必要な基本情報についてまとめていきます。
試験日・試験会場 | 基本的には毎週実施しており、会場によって具体的な試験日は異なりますが、全国の試験会場でCBT(Computer Based Testing)方式により実施しています。試験日に関しては平日メインの会場や土日メインの会場もありますが、土日開催のところが多いようです。会場ごとの3ヶ月先までの試験開催状況・空席状況を確認して申し込みをするかたちになります。 |
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試験形式 |
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試験手数料 | 7,500円(消費税込み) |
受験者数・合格率 | ITパスポートwebサイトの統計によると、受験者数は年々増加しており全国で毎月1~3万人ほどの受験者がおり、累計の合格率は約50%となっています。 |
ITパスポート取得に必要な知識レベル
では、具体的にこの資格の取得を目指すには、どの程度のITに関する知識が求められるのでしょうか?ここでは、ITパスポート試験の出題範囲(2022年11月時点)をみながら、合格に必要な知識レベルを確認してみましょう。
出題範囲をみると、分野が大きく三つに区分されているのでそれぞれについてみてみましょう。
ストラテジ系
この分野では、IT技術に関する基礎的な知識とそのITを用いたシステム戦略についての理解が問われます。具体的には、身近なSNSでのコミュニケーションから最先端のAIやIoTまで、その技術の概要や特徴を聞かれたり(システム戦略)、実際にそれらの技術を運用するシステム戦略(ex. EC)の特徴やそれらシステムを開発する意義など、IT技術を企業戦略に用いる際の理解をきかれたり(経営戦略)、それらを社会全体で効率的かつ安全に運用していく上での一般的な考え方や法務上のルールなどをきかれたり(企業と法務)します。
マネジメント系
この分野では、実際にITを用いてシステムを開発運用していく上での必要な知識がとわれます。具体的には、システム開発における基本的なプロセスの枠組みの理解を聞かれたり、ITシステムを用いたプロジェクトやサービスのマネジメントについて聞かれたりします。
テクノロジ系
この分野では、ITを支えるテクノロジーについて最低限知っておくべき内容をきかれます。具体的には、コンピュータ演算で活躍している二進数やアルゴリズムなど基礎的な理論からコンピュータシステムの仕組み、ネットワークやデータベースなどの技術要素についてまでの最低限の知識が必要になります。
ITパスポート取得への試験対策

今日、社内でのデジタル化推進の一環として、本記事でみてきたITパスポートのような資格の取得を新卒や社内全体の標準資格として導入しようとする企業は増えています。しかし、社内のみで資格獲得のために研修を企画・開催しようと思うと、貴重なデジタル人材のリソースを割くことになってしまい、また業務と並行する難しさから期待しているような効果が得られない場合もあります。
インターネット・アカデミーでは日本最初のIT専門スクールとして、ITパスポートなどの試験対策にも役立つ研修を様々用意しております。また各企業さまのご要望に応じて柔軟に研修の内容をカスタマイズして、目標に応じた最適な研修をお届けできます。
また近年ですと、企業のIT化を後押しするための助成金制度も多く整ってきているので、それらをうまく活用すれば、コストを抑えつつ効率よく社員の資格取得も目指すことができます。
ITパスポート試験受験やDXに関して少しでもお悩みの方は、無料相談もございますのでぜひお気軽にインターネットアカデミーまでお問い合わせください。
この記事の執筆者

インターネット・アカデミー ITビジネスサプリ編集部
インターネット・アカデミーは、IT研修・ITトレーニングなど法人向け研修サービスの提供と、就職・転職などの社会人向け通学制スクールの運営を行っている教育機関です。グループ企業を含めると、「制作」「人材サービス」「教育」の3つの事業のノウハウをもとに、ITビジネスを行う現場担当者の皆様にとって役立つ情報を発信しています。
監修者

インターネット・アカデミー 有村 克己
「カシオ計算機」「小学館」などの大手企業研修をはじめ、神奈川工科大学やエコーネットフォーラムでの講演など、産学連携活動にも従事。エコーネットコンソーシアム「ECHONET 2.0技術セミナー検討WG」委員。
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