人材育成ITパスポートと基本情報技術者試験どちらの取得を目指すべき?

2022/11/29
ITパスポートと基本情報技術者試験どちらの取得を目指すべき?

近年、急速なIT化の時代到来の影響で、ほとんどの企業でデジタル化の推進が非常に重要な課題となってきています。デジタル技術を使いこなし新たな時代に適応できる人材を確保育成しようという試みの一環として、新入社員の研修でデジタル教育を施したり新たに社員の標準資格としてデジタル系の資格を設定する企業も少なくありません。

デジタル系の国家資格としてはITパスポートと基本情報技術者試験などが特に有名で、これらのうちいずれかを社員に取得させたいと考えてはいるが、違いがいまいちわかっていないという担当者の方々もいらっしゃると思います。本記事では、この二つの資格について比較して、二つの資格の間には具体的にどのような違いがあり、どのような企業がどちらの資格取得を目指すのがおすすめなのか考えていきたいと思います。

目次

二つの資格の到達目標の違い

ITパスポートと基本情報技術者試験はいずれも、IPA(情報処理推進機構)が提供する国家試験で、合格することでITに関する知識の証明になります。ただ、これらの資格はそれぞれ対象者を異にしており、当然到達目標も違っています。

まずはじめに簡単にまとめると、パスポートはIT技術を活用する側の知識証明となり、基本情報技術者試験はIT技術を用いて問題解決を図るエンジニアとしての素養の証明となります。つまり、基本的にITパスポートは基本的なITリテラシーを向上させたりIT技術活用の幅を広げたりしたい、という人向けの試験であり、基本情報技術者試験は具体的にITを用いた問題解決に積極的に取り組んでいきたい、ITエンジニアになりたいという人向けの試験となっているともいえます。

受験者対象者を比較してみても、ITパスポートは社会人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識を身につけ活用していくことを目指す人、一方で基本情報技術者試験は高度IT人材(ITエンジニア)となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けることを目指す人、というように分かれています。

到達目標の違い

  • ITパスポート
    ITリテラシーを向上させたい。IT技術の活用を進めたい。
  • 基本情報技術者試験
    ITを用いて具体的なシステム開発・問題解決を行えるようになりたい。

資格取得のしやすさの違い

ここでは、試験制度や合格率を比較することで、二つの資格の取得難易度について比較していきましょう。

まず試験制度について、ITパスポートは基本的に毎週各地方の会場にてCBT(Computer Based testing)方式で試験が行われています。基本情報技術者試験は春夏の年に二回の一定期間の間のみCBT方式での試験を実施していましたが、令和5年からはITパスポートと同様に年中受験を行えるようになります。

試験時間については、ITパスポートが120分の試験一つですが基本情報技術者試験は午前90分と午後100分の試験をそれぞれ受けなければいけません(令和5年からこちらも実は短縮されてこの時間になりました)。

試験合格率については、ITパスポートが50%ほどに対して、基本情報技術者試験は20~30%ほど(近年のコロナ禍で合格率がのび40%程)になっています。やはり試験難易度の面からみてもITパスポートのほうが取り組みやすい試験にはなっています。

その他問題形式について確認すると、 ITパスポート試験は基本的にITに関する知識を問う選択問題ばかりですが、基本情報技術者試験についてはそれらの基礎知識に加え、仮想言語を題材にアルゴリズム的思考(論理的思考)をたずねる問題も出題されます。このように基本情報技術者試験合格には、知識だけでなくIT技術者として最低限の技能の習得も必要になるため、試験対策含めて難易度がITパスポートよりも高くなっています。

資格取得しやすさの違い

  • ITパスポート
    試験時間も短めで、ITの知識がきかれる程度。合格率は50%ほど。
  • 基本情報技術者試験
    試験時間は長めで、ITの知識に加えて技能もきかれる。合格率は20~30%ほど(近年はコロナ禍野中、合格率がのび40%程)
    ※(令和5年以降)細かい試験日程や試験実施形式などの違いはない。

社員の資格取得後に期待できるメリットの違い

社員の資格取得後に期待できるメリットの違い

ITパスポート試験においては、IT技術の利用に関する必須知識が求められるのでこの資格取得によって、社内デジタルリテラシーの向上によるコミュニケーション円滑化、社内情報セキュリティや企業コンプライアンスの向上、その他社内環境のDX化やITを用いた新規事業の立ち上げなどへの障害を取り除き企業が積極的にこれらの課題に取り組めるようになる、などの効果を期待できます。

一方で、基本情報技術者試験は、ITエンジニア育成の登竜門的な立ち位置にある資格なので本資格取得によって、企業内での問題を解決するためのシステムの構築や、ITのかかわってくるデジタル戦略の立案・プロジェクト推進などに関わることのできる人材の獲得を期待することができます。また本資格の取得によって、社内で活躍する本格的なITエンジニア育成への第一歩とすることもできます。 もちろん、ITエンジニアとして活躍するには基本的なITリテラシーも必要になってくるので、基本情報技術者試験の資格取得はITパスポート取得のメリットも包括しているといえます。

メリットの違い

  • ITパスポート
    社内コミュニケーションの円滑化、情報セキュリティや社内コンプライアンスの向上、社内DXの推進
  • 基本情報技術者試験
    社内で活躍するITエンジニアの育成につながる。ITを用いた新規プロジェクトや問題解決のためのシステム開発などに関わることのできる人材の育成につながる。ITパスポート取得に期待されるメリットも包括する。

試験対策のしかた

今日、社内でのデジタル化推進の一環として、ITパスポートや基本情報技術者試験のような資格の取得を新卒や社内全体の標準資格として導入しようとする企業は確かに増えています。しかし、社内のみで資格獲得のために研修を企画・開催しようと思うと、貴重なデジタル人材のリソースを割くことになってしまい、また業務と並行する難しさから期待しているような効果が得られない場合もあります。

インターネット・アカデミーでは日本最初のIT専門スクールとして、ITパスポート・基本情報技術者試験、いずれの試験対策にも役立つ研修を各種用意しております。また各企業さまのご要望に応じて柔軟に研修の内容をカスタマイズして、目標に応じた最適な研修をお届けできます。

また近年ですと、企業のIT化を後押しするための助成金制度も多く整ってきているので、それらをうまく活用すれば、コストを抑えつつ効率よく社員の資格取得も目指すことができます。

ITパスポート試験受験やDXに関して少しでもお悩みの方は、無料相談もございますのでぜひお気軽にインターネットアカデミーまでお問い合わせください。

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