人材育成DX人材とは?種類と役割・必要なスキル・マインドセットを解説
2026/03/31
「DXと言われても、具体的に誰が何をすればいいのか分からない。」そんな悩みを抱える企業は少なくありません。DXの本質はツールの導入ではなく、ビジネスモデルそのものを変革できる「人」にあります。
この記事では、DX人材の定義や5つの役割、必要なスキル・マインドセット、不足の背景や具体的な育成手法までを網羅的に解説します。DX推進の第一歩として、ぜひご活用ください。
DX人材とは
DX人材とは、企業のデジタル化を進めながら、ビジネスそのものを変革できる人材のことです。なぜなら、単にITを導入するだけでは、売上や働き方は大きく変わらないからです。例えば、紙の業務をそのままシステム化しても、やり方が古いままであれば成果は限定的です。だからこそ、技術とビジネスの両方を理解し、会社の仕組みを見直せる人が求められています。
DXとは
DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略で、デジタル技術を使って企業の仕組みやビジネスモデルを変える取り組みです。ただ単にITツールを導入することではありません。その理由は、目的が「効率化」だけでなく「価値の創出」にあるからです。例えば、オンライン販売を始めることで新しい顧客層を獲得するなど、事業そのものを進化させることがDXです。
DX人材とデジタル人材の違い
DX人材とデジタル人材は似ていますが役割が異なります。デジタル人材は定義が広く、IT分野に関わる専門人材全般のことです。DX人材はデジタル人材の一部であり、ITの知識に加え、経営や現場の課題を理解し、組織全体の変革を推進する人材です。例えば、エンジニアがシステムを作るのに対し、DX人材は「何のために作るのか」までを考えます。
DX人材の種類と役割

DX人材には複数のタイプがあり、それぞれ異なる役割を担います。ここでは代表的な職種を紹介します。
ビジネスアーキテクト
ビジネスアーキテクトとは、DXの取り組みの目的を設定し、業務設計を担当する人材のことです。事業規模を考慮しながら、人材配置や協働体制の構築を主導し、一貫したプロセスを設計・推進することでDXの目的達成を目指します。ビジネスアーキテクトは、新規事業の開発に加え、既存事業の高度化や社内業務の効率化なども担います。
デザイナー
デザイナーは新しい事業モデルを設計します。主に市場や顧客ニーズを分析し、商品・サービス開発の方針やプロセスを策定した上で、収益の仕組みを考えます。例えば、サブスクリプション型サービスへの転換を企画する仕事です。発想力が求められますが、実現性を考えなければ絵に描いた餅になる点には注意が必要です。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、データを分析し価値を見つけます。多くの企業がデータを持っていますが、活用できていない場合が少なくありません。例えば、購買データから売れ筋商品を予測します。ただし、専門知識が高度で育成に時間がかかる点が課題です。
ソフトウェアエンジニア
ソフトウェアエンジニアは、DXのアイデアを実際のシステムやアプリとして形にする役割を担います。なぜなら、どれだけ優れた戦略があっても、実装できなければ成果につながらないからです。例えば、業務を効率化する社内ツールや、顧客向けのWebサービスを開発します。設計書をもとに正確に作る力だけでなく、不具合を見つけて改善する粘り強さも必要です。一方で、技術の進化が速いため、常に新しい知識を学ぶ姿勢が求められます。
サイバーセキュリティ
サイバーセキュリティは、DX推進に伴うセキュリティリスクを把握し、安全な運用体制を構築・維持する役割です。サイバーセキュリティの役割は、2つに分かれます。
「サイバーセキュリティマネージャー」は、セキュリティ全般に関する幅広い知識をもち、経営層や関係部門に対して方針の説明や調整を担います。一方、「サイバーセキュリティエンジニア」は、事業実施に伴うセキュリティ対策を実施する役割です。
DX人材が不足している背景
DX人材が不足している最大の理由は、多くの企業がデジタル化を進めており需要が急増しているからです。しかし、専門スキルを持つ人はすぐには育ちません。さらに、IT企業との人材獲得競争も激化しています。例えば、優秀なエンジニアは高待遇で転職する傾向があります。このような状況から、人材確保が難しくなっています。
DX人材に必要な知識・スキル
DX人材には幅広い知識と実行力が求められます。ここでは代表的なスキルを紹介します。
IT・データサイエンスの知識

ITやデータ分析の基礎知識は欠かせません。なぜなら、技術を理解しなければ正しい判断ができないからです。例えば、クラウドやAIの仕組みを理解することで、導入の可否を判断できます。ただし、すべてを専門レベルで習得する必要はありません。基礎を押さえることが重要です。
新規事業の企画力・構築力
DX人材には、新しいビジネスを考え、実行まで進める力が求められます。なぜなら、デジタル技術はあくまで手段であり、収益を生む仕組みを作らなければ意味がないからです。例えば、既存の商品にオンラインサービスを組み合わせて新たな収益源を作る取り組みがあります。このとき市場調査や競合分析も欠かせません。ただし、アイデアだけで終わらせず、社内を巻き込みながら形にする行動力が重要です。
プロジェクトマネジメントスキル
DXは複数部署が関わるため、進行管理が重要です。例えば、開発スケジュールや予算を調整します。計画が曖昧だと遅延が起こります。一方で、柔軟に対応する力も必要です。状況変化に応じて軌道修正できる人が評価されます。
DX人材に求められるマインドセット
スキルだけでなく、考え方も大切です。ここでは3つの視点を解説します。
変化志向
変化志向とは、現状に満足せず、より良い方法を探し続ける姿勢です。DXは業務や仕組みを見直す取り組みであるため、従来のやり方に固執していては前に進みません。例えば、紙中心の業務をオンライン化する提案を積極的に行う姿勢が挙げられます。ただ、変化には不安も伴います。それでも挑戦を前向きに受け止める姿勢が、組織全体の成長につながります。
顧客中心主義
顧客中心主義とは、常に利用者の立場で考える姿勢です。なぜなら、企業の都合だけで作られたサービスは長続きしないからです。例えば、操作が難しいアプリは途中で使われなくなる可能性があります。そこで、利用者の声を集め、改善を重ねることが大切です。一方で、すべての要望に応えることは難しいため、優先順位を見極める冷静さも必要になります。
学習の継続
学習の継続は、DX人材にとって欠かせない姿勢です。ITやビジネス環境は日々変化しています。今通用する知識が、数年後には古くなることもあります。例えば、新しいクラウドサービスやAI技術が次々と登場しています。このため、定期的に情報収集を行い、自ら学ぶ習慣が重要です。ただし、闇雲に学ぶのではなく、自社の課題に合った内容を選ぶことが効率的です。
DX人材不足を解消する方法
不足を補うには複数の方法があります。それぞれの特徴を理解することが重要です。
外部企業を活用する
外部企業を活用する方法は、即効性が高い対策です。なぜなら、すでに経験や専門知識を持つ人材の力を借りられるからです。例えば、DXコンサルティング会社と連携し、戦略立案から実行まで支援を受けるケースがあります。これにより短期間で成果を出しやすくなります。ただし、依存しすぎると社内にノウハウが蓄積されにくい点には注意が必要です。
DX人材を採用する
経験者を採用することも有効な手段です。即戦力を迎え入れることで、プロジェクトを加速できます。例えば、データ分析の専門家を採用し、社内データの活用を一気に進める方法があります。しかし、優秀な人材は他社との獲得競争が激しく、採用コストが高くなる傾向があります。このため、働きやすい環境や成長機会を提示する工夫が求められます。
DX人材を育成する
社内育成は時間がかかりますが、長期的に見ると安定した方法です。自社の文化や業務を理解した社員がDXスキルを身につければ、実践に活かしやすくなります。例えば、研修や実践型プロジェクトを通じて段階的に学ばせる取り組みがあります。ただし、成果が出るまでに期間を要するため、計画的な教育体制を整えることが欠かせません。
社内育成を成功させる「外部リソース」の活用
自社での育成は、業務知識とデジタルスキルを掛け合わせられるため非常に効果的ですが、「社内に指導できるノウハウがない」ことが最大の障壁となります。この課題を解決する有効な手段が、外部の専門教育機関との提携です。
実績のある専門機関を活用することで、IPA(情報処理推進機構)のスキル標準に基づいた体系的なカリキュラムを即座に導入できます。最新の技術トレンドを反映した外部の知見を取り入れることは、教育の質を担保し、最短距離で現場に強い人材を育てることにつながります。
まとめ
DX(デジタルトランスフォーメーション)の本質はツールの導入ではなく、それらを活用してビジネスに変革をもたらす「人」にあります。
DX人材には、専門的なIT知識やデータ分析スキルだけでなく、ビジネスを構想する力や、変化を恐れないマインドセット、そして学び続ける姿勢が不可欠です。現在、多くの企業が人材不足という課題に直面していますが、外部の知見を借りた「社内育成」は、自社の業務知識とデジタルスキルを融合させる最も確実な戦略といえます。
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インターネット・アカデミー ITビジネスサプリ編集部
インターネット・アカデミーは、IT研修・ITトレーニングなど法人向け研修サービスの提供と、就職・転職などの社会人向け通学制スクールの運営を行っている教育機関です。グループ企業を含めると、「制作」「人材サービス」「教育」の3つの事業のノウハウをもとに、ITビジネスを行う現場担当者の皆様にとって役立つ情報を発信しています。
監修者

インターネット・アカデミー 有村 克己
「カシオ計算機」「小学館」などの大手企業研修をはじめ、神奈川工科大学やエコーネットフォーラムでの講演など、産学連携活動にも従事。エコーネットコンソーシアム「ECHONET 2.0技術セミナー検討WG」委員。
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