デジタル人材育成に役立つ助成金制度活用
セミナーレポート
講演者:インターネット・アカデミー 金正煒
本記事は、2023/8/29にインターネット・アカデミーが開催した「デジタル人材育成に役立つ助成金制度活用セミナー」の一部を紹介したものです。
デジタルスキル標準に基づいたデジタル人材育成
多くの企業でDX推進の必要性が浸透し、具体的な施策に取り組む企業も徐々にですが増えてきています。しかし、「どうやってデジタル人材を育成したらよいかわからない。」「結局何を学べばいいのかわからない。」といった悩みを抱えている企業が多いのが現状です。
そこで経済産業省とIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)は、企業のDX推進の指針となる「デジタルスキル標準」を示しました。デジタルスキル標準では、DXを推進する人材の役割や習得すべきスキルの指針を「DXリテラシー標準」と「DX推進スキル標準」の2段階で定めました。これらの具体的な内容はこちらの記事 デジタルスキル標準に即したDX人材育成 セミナーレポート で解説しています。
デジタルスキル標準をデジタル人材育成の指針とすることで、DX推進における自社の弱みを認識し、どういった方針で何を学ぶべきかが明白になるでしょう。
デジタル人材育成には助成金を活用しよう
デジタル人材育成の方針が明確になっても、社内で人材を育成するノウハウがなければ中途半端なDX化になります。また、会社の規模が大きくなるほど研修費用を確保することが難しく、研修そのものを断念してしまうケースもよくあります。
こういった失敗をしないためにおすすめなのが、助成金を利用した研修の実施です。助成金にはいくつか種類がありますが、例えば、厚生労働省の「人材開発支援助成金」の場合、IT研修の目的や対象者、研修レベルなどに応じていくつかのコースが用意されています。
インターネット・アカデミーのIT研修では、業務効率化に取り組むために利用できる「事業展開等リスキリング支援コース」、様々なテーマの研修で活用できる「人材育成支援コース」、AIやIoTなどの専門人材を育成する研修で活用できる「人への投資促進コース」などが利用できます。
助成金の仕組みと申請までの流れ・注意点
「人材開発支援助成金」では、要件を満たした場合、研修費用に対しての「経費助成」と、受講中の賃金に対しての「賃金助成」が支給されます。お問い合わせをいただく際に、どちらか片方だけと思われている方もいらっしゃるのですが、両方が支給されます。
受講人数や研修カリキュラムによりますが、研修費用のほぼ全額を助成金でまかなうことができるというケースもあります。
助成率や助成限度額は会社の規模やコースなどで変わりますが、事業展開等リスキリング支援コースでは最大75%の経費助成と1人1時間あたり最大960円の賃金助成を受けることができます。
なお、経費助成については1名あたりの支給額に上限がある点に注意が必要です。たとえば、この表では経費助成の最大が75%となっていますが、100万円の研修を1名で受けた際に、経費助成が75万円支給されるわけではありません。100時間未満の研修の場合は、30万円が上限となります。
時間数や受講人数によって支給額が変わってきますが、インターネット・アカデミーでは助成金シミュレーションの相談も承っていますので、お気軽にご相談ください。
申請の流れ
助成金申請には、研修前に訓練実施計画届、研修後に支給申請書を労働局に提出する必要があります。これらの手続きがすべて終了した後、助成金支給の審査が始まり、支給・不支給が決定します。訓練実施計画届は研修開始の1か月前までに、支給申請書は研修終了後から2か月以内に提出することが必要になります。
4月からの新人研修で助成金を使いたい場合は、2月末までに申請を終える必要がありますが、実施する研修の内容やスケジュールなども申請内容に含まれます。研修計画を立てたり業者選定する時間なども必要ですので、11月か12月頃には動き出せるようにすると良いでしょう。
申請時の注意点
助成金を申請するうえで注意点がいくつかあります。1つめは、解雇や退職推奨についてです。計画届の提出日前日から起算して6ヶ月から支給申請書を提出するまでの期間に、事業主都合で雇用保険被保険者に解雇や退職推奨などを行った場合は受給できません。
2つ目は所定労働時間外での研修です。賃金助成の対象となるのは、研修実施時間と貴社の定める所定労働時間が重なる範囲となります。労働時間外での研修は、支給の対象外となります。
たとえば、貴社の所定労働時間が9時~18時で、研修を10時~19時で行った場合、賃金助成の対象となるのは10時~18時に行った部分のみとなります。業務時間で研修を受けさせたいという場合は、助成金の対象になりませんので注意が必要です。
助成金を活用した企業の事例
インターネット・アカデミーでは、これまで助成金を利用した様々な法人のIT研修を担当してきました。今回はその研修事例の一部をご紹介いたします。
IT研修でDX推進に成功した企業のコメント
インターネット・アカデミーの講師陣の経歴や現職としての活躍の幅、実績から、納得のいく内容を受講できると確信したことが決め手になりました。社員一人ひとりの習熟度に合わせて、柔軟に研修カリキュラムを組んでいただけたことも大きなポイントです。助成金を利用して研修を実施するために、申請の段階から手厚くサポートしていただきました。私どもの要望に合わせて柔軟に対応していただけたことはとてもありがたかったです。
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研修で第一に求めた点はフロントエンド、バックエンドともに基礎だけでなくトレンドを踏まえたプログラミング言語を組み入れられるかという点と、研修中も随時新入社員たちの成長具合を共有できるなどフォローにも対応していただけるかという点です。また、助成金を使う予定だったので、助成金に対する知見が深くサポートもしていただけるという点も考慮しました。
インタビューを見る
インターネット・アカデミーでは、助成金申請業務をサポートする支援システムや、助成金申請についてのご相談も承っています。個別に助成金支給額シミュレーションもご提供していますので、助成金を活用したIT研修を検討しておりましたら、お気軽にご相談ください。
セミナー講師
金正煒
インターネット・アカデミー ITコンサルタント
500社以上の企業のIT教育をコンサルティングした実績をもつ。
エコーネットコンソーシアムフォーラムやLPI日本支部共催セミナーでの関連技術についての講演を担当。
Oracle Certified Java Programmer Silver SE 8、Python3エンジニア認定基礎試験、PHP技術者認定資格など、多数のIT資格を保持。
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