PC作業を自動化するPowrer Automate活用法(2)
執筆者:テクニカルライター 掌田津耶乃
Power Automateのデスクトップ版は、PCのさまざまな操作を自動化します。今回はその例として、「選択した複数のファイルを1つのフォルダにまとめ、更にナンバリングする」という作業をPower Automateで自動化してみましょう。
前回の記事「PC作業を自動化するPowrer Automate活用法(1)」ファイルをフォルダにまとめてナンバリングする
では、実際に簡単なフローを作成しながら、Power Automateの開発がどの用に行われるのか見てみましょう。ここでは簡単な例として、「複数のファイルを1つのフォルダにまとめてナンバリングする」というフローを作成してみます。
Power Automateを起動し、「新しいフロー」ボタンをクリックしてフロー作成のパネルを呼び出します。そこで適当な名前をつけて新しいフローを作成します。フローが作成されると編集ウィンドウが開かれ、そこでアクションを順に作成してフローを作っていきます。では、今回のフローで用意するアクションについて順に説明しましょう。
1. ファイルの選択ダイアログを表示
「メッセージボックス」という項目に用意されています。これはファイル選択ダイアログを表示し、選択したファイルを変数に代入するアクションです。以下の項目を設定しておきます。
初期フォルダー | フォルダーのアイコンをクリックし、デスクトップを選択する |
---|---|
複数の選択を許可 | ONにする |
ファイルが存在するかどうかを確認 | ONにする |
この他の項目はデフォルトのままにしておきます。また「生成された変数」というところに変数名が設定されていますが、これもデフォルトのまま変更しないでおきます。
2. 入力ダイアログを表示
これも「メッセージボックス」に用意されています。テキストを入力するためのダイアログを呼び出すアクションです。ドロップすると現れる設定のダイアログで、「入力ダイアログのタイトル」と「入力ダイアログ メッセージ」にそれぞれわかりやすいメッセージを記入しておきます。
3. 特別なフォルダーを取得
「フォルダー」という項目に用意されています。これは特別なフォルダーのパスを変数に取り出すためのアクションです。「特別なフォルダーの名前」から「デスクトップ」を選択し、保存します。
4. フォルダーの作成
これも「フォルダー」内に用意されています。名前の通り、新しいフォルダーを作るアクションです。設定のダイアログで以下のように項目を設定します。
新しいフォルダーを次の場所に作成 | 「%SpecialFolderPath%」と記入 |
---|---|
新しいフォルダー名 | 「%UserInput%」と記入 |
5. ファイルの移動
左側リストの「ファイル」というところにあります。ファイルを別の場所に移動するアクションです。設定ダイアログで以下の項目を設定します。
移動するファイル | 「%SelectedFiles%」と記入 |
---|---|
宛先フォルダー | 「%NewFolder%」と記入 |
ファイルが存在する場合 | 「何もしない」を選択 |
6. フォルダー内のファイルを取得
「フォルダー」項目内に用意されています。指定したフォルダー内にあるすべてのファイルを取得するアクションです。以下のように設定を行います。
フォルダー | 「%NewFolder%」と記入 |
---|---|
ファイルフィルター | 「*」と記入 |
7. ファイルの名前を変更する
「ファイル」項目内にあります。ファイル名を変更するためのアクションです。結構設定する項目が多いので間違えないようにしましょう。
名前を変更するファイル | 「%Files%」と記入 |
---|---|
追加する番号 | ONにする |
名前の変更の方法 | 連番にする |
追加する番号 | 操作前の名前 |
開始番号 | 1 |
増分 | 1 |
区切り文字 | ピリオド |
各番号の最小長 | 3 |
ファイルが存在する場合 | 何もしない |
これで、フローのアクションがすべて作成できました。作ったフローの内容を確認しましょう。全部で7つのアクションが並んだ状態となります。アクションはただ配置するだけでなく、実行する順番や設定の内容が重要になります。設定内容や並び順が正しいかよく確認しましょう。
アクションを実行する
では、作成したフローを実行してみましょう。実行すると、まずファイルを選択するダイアログが現れるので、フォルダーにまとめたいファイルをすべて選択して下さい。続いて、フォルダー名を記入する入力ダイアログが現れます。ここでフォルダーの名前を記入し、OKします。
これで、入力した名前のフォルダーがデスクトップに作成され、そこに選択したファイル類が全てまとめられます。フォルダーを開くと、各項目名に「1. 〇〇」「2. ✕✕」というように通し番号がつけられているのがわかります。たくさんのファイルに、こうした通し番号をつけるのはかなり面倒です。それが簡単に実行できてしまいます。
PC作業を自動化するPowrer Automate活用法(3)
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掌田津耶乃様
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