PC作業を自動化するPowrer Automate活用法(2)

2023/11/6
執筆者:テクニカルライター 掌田津耶乃
Powrer Automateの活用法1

Power Automateのデスクトップ版は、PCのさまざまな操作を自動化します。今回はその例として、「選択した複数のファイルを1つのフォルダにまとめ、更にナンバリングする」という作業をPower Automateで自動化してみましょう。

前回の記事「PC作業を自動化するPowrer Automate活用法(1)」

ファイルをフォルダにまとめてナンバリングする

では、実際に簡単なフローを作成しながら、Power Automateの開発がどの用に行われるのか見てみましょう。ここでは簡単な例として、「複数のファイルを1つのフォルダにまとめてナンバリングする」というフローを作成してみます。

Power Automateを起動し、「新しいフロー」ボタンをクリックしてフロー作成のパネルを呼び出します。そこで適当な名前をつけて新しいフローを作成します。フローが作成されると編集ウィンドウが開かれ、そこでアクションを順に作成してフローを作っていきます。では、今回のフローで用意するアクションについて順に説明しましょう。

1. ファイルの選択ダイアログを表示

「メッセージボックス」という項目に用意されています。これはファイル選択ダイアログを表示し、選択したファイルを変数に代入するアクションです。以下の項目を設定しておきます。

初期フォルダー フォルダーのアイコンをクリックし、デスクトップを選択する
複数の選択を許可 ONにする
ファイルが存在するかどうかを確認 ONにする
ファイルの選択ダイアログを表示
「ファイルの選択ダイアログを表示」アクションの設定

この他の項目はデフォルトのままにしておきます。また「生成された変数」というところに変数名が設定されていますが、これもデフォルトのまま変更しないでおきます。

2. 入力ダイアログを表示

入力ダイアログを表示
「入力ダイアログを表示」アクションの設定

これも「メッセージボックス」に用意されています。テキストを入力するためのダイアログを呼び出すアクションです。ドロップすると現れる設定のダイアログで、「入力ダイアログのタイトル」と「入力ダイアログ メッセージ」にそれぞれわかりやすいメッセージを記入しておきます。

3. 特別なフォルダーを取得

特別なフォルダーを取得
「特別なフォルダーを取得」アクションの設定

「フォルダー」という項目に用意されています。これは特別なフォルダーのパスを変数に取り出すためのアクションです。「特別なフォルダーの名前」から「デスクトップ」を選択し、保存します。

4. フォルダーの作成

フォルダーの作成
「フォルダーの作成」アクションの設定

これも「フォルダー」内に用意されています。名前の通り、新しいフォルダーを作るアクションです。設定のダイアログで以下のように項目を設定します。

新しいフォルダーを次の場所に作成 「%SpecialFolderPath%」と記入
新しいフォルダー名 「%UserInput%」と記入

5. ファイルの移動

左側リストの「ファイル」というところにあります。ファイルを別の場所に移動するアクションです。設定ダイアログで以下の項目を設定します。

移動するファイル 「%SelectedFiles%」と記入
宛先フォルダー 「%NewFolder%」と記入
ファイルが存在する場合 「何もしない」を選択
ファイルの移動
「ファイルの移動」アクションの設定

6. フォルダー内のファイルを取得

フォルダー内のファイルを取得
「フォルダー内のファイルを取得」アクションの設定

「フォルダー」項目内に用意されています。指定したフォルダー内にあるすべてのファイルを取得するアクションです。以下のように設定を行います。

フォルダー 「%NewFolder%」と記入
ファイルフィルター 「*」と記入

7. ファイルの名前を変更する

ファイルの名前を変更する
「ファイルの名前を変更する」アクションの設定

「ファイル」項目内にあります。ファイル名を変更するためのアクションです。結構設定する項目が多いので間違えないようにしましょう。

名前を変更するファイル 「%Files%」と記入
追加する番号 ONにする
名前の変更の方法 連番にする
追加する番号 操作前の名前
開始番号 1
増分 1
区切り文字 ピリオド
各番号の最小長 3
ファイルが存在する場合 何もしない
作成したフロー
作成したフロー。7つのアクションが作成されている

これで、フローのアクションがすべて作成できました。作ったフローの内容を確認しましょう。全部で7つのアクションが並んだ状態となります。アクションはただ配置するだけでなく、実行する順番や設定の内容が重要になります。設定内容や並び順が正しいかよく確認しましょう。

アクションを実行する

では、作成したフローを実行してみましょう。実行すると、まずファイルを選択するダイアログが現れるので、フォルダーにまとめたいファイルをすべて選択して下さい。続いて、フォルダー名を記入する入力ダイアログが現れます。ここでフォルダーの名前を記入し、OKします。

これで、入力した名前のフォルダーがデスクトップに作成され、そこに選択したファイル類が全てまとめられます。フォルダーを開くと、各項目名に「1. 〇〇」「2. ✕✕」というように通し番号がつけられているのがわかります。たくさんのファイルに、こうした通し番号をつけるのはかなり面倒です。それが簡単に実行できてしまいます。

PC作業を自動化するPowrer Automate活用法(3)

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この記事の執筆者

テクニカルライター
掌田津耶乃様

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