業務活用のためのプロンプトエンジニアリング
今さら聞けないChatGPT セミナーレポート(前編)

2023/10/05
講演者:インターネット・アカデミー 小山直人
業務活用のためのプロンプトエンジニアリング今さら聞けないChatGPT

本記事は、2023/9/21にインターネット・アカデミーが開催した「業務活用のためのプロンプトエンジニアリング今さら聞けないChatGPTセミナー」の一部を紹介したものの前編です。前編では、ChatGPTの概要と、ChatGPTを賢く使うコツについてご紹介しています。

ChatGPTとは

ChatGPTとは、アメリカのOpenAI社が開発したサービスです。ユーザーからの質問に対してAIが人間のような自然な対話形式で答えてくれることから、これまでプログラミング言語を介してコンピュータに指示していたことを自然言語で扱えるようになり、世界中から大注目を集めました。

ChatGPTをはじめ、学習済みのデータをもとに新たなコンテンツを生成できるAIを生成系AIと呼びます。生成系AIの中には、文章だけでなく音楽や画像、動画を生成するものもあります。2022年の11月に「ChatGPT」が無料公開されてからまだ1年弱しか経っていないものの、IT業界全体がこの技術に着目しています。実際、ChatGPTが無料公開された3か月後には、Googleが対話型AI「Bard」を限定公開、その1か月後には、ChatGPTの最新バージョンである「GPT-4」が限定公開されるなど、恐ろしい勢いで技術は進歩しています。

RPAとAIの違い

業務活用のためのプロンプトエンジニアリング今さら聞けないChatGPT

AIとよく混同されるものとしてRPAがあります。RPAとはRobotic Process Automationの略で、コンピュータで行うあらゆる操作や作業を、人間が事前に定めて、自動的に繰り返すようにするツールのことです。人間の「作業」を代替するツールであり、手足の代わりと表現されることもあります。一方AIとは、ビッグデータとよばれる膨大なデータベースをもとに、コンピュータが自ら判断し結果を出力するツールです。こちらは人間の「判断」を代替するツールであり、RPAの手足に対して頭脳の代わりなどと表現されます。

しかし、両者は必ずしも相反するものでもなく、AIを組み込んだRPAソフトも存在するため、どちらも活用できるようになるのが重要です。

ChatGPTの賢い使い方

ChatGPTは、2021年9月までのデータしか蓄積されていないため、最新の情報やデータに基づいた回答を生成することはできません。例えば「現在の日本の総理大臣は誰?」と聞いても答えることができないのです。また、社内の企画などを考えてもらうといった使い方も注意が必要です。社内情報をChatGPTに送るのは情報漏洩になるので、与える条件には十分気をつけましょう。

ChatGPTは、莫大なデータをもとに回答を生成するツールであり、何でも知ってる万能なツールというわけではありません。ときに誤った情報をユーザに伝えることもあります。したがって、様々なアイデアを生み出してくれる「優秀な部下」という位置づけで使うのがよいでしょう。最終的に正しいかどうかを自分で判断することができない場合、うまく使えません。

では、そんなChatGPTを賢く使うには、どうするのがよいでしょうか?
ChatGPTをうまく活用するのに最も重要とされているのが「命令文(プロンプト)」です。以下に示したのは、ChatGPTへの質問のテンプレートです。

プロンプトのテンプレート例

#命令文
あなたはプロの編集者です。
以下の制約条件と入力文を基に、最高の要約を出力してください。

#制約条件
・文字数は300文字程度
・小学生にもわかりやすく
・重要なキーワードは取りこぼさない
・文章を簡潔に

プロンプトを与えるときにポイントとなるのは、「役割を決める」、「最高のアウトプットを出力するように伝える」、「制約条件を決める」、「何度も対話を重ねる」の4点です。精度の高い回答を得るには、ChatGPTに理解してもらいやすいプロンプトを用意することが重要なのです。

また、一度で最高の回答を求めることは難しいです。段階的にChatGPTに回答を生成してもらうことで、ユーザが望む形の回答に近づけることができます。ChatGPTと対話して、徐々に条件を追加したり修正したりすることで、複雑な命令を実現したり、精度の高い回答を生成することができます。

Custom instructionsを活用しよう

業務活用のためのプロンプトエンジニアリング今さら聞けないChatGPT
Custom instructionsの設定方法

ChatGPTに与えるプロンプトのテンプレートを毎回入力するのは、なかなか手間だと感じる人も多いかと思います。そこで活用すべきは「Custom instructions」という機能です。これは2023年7月に新たに追加されたもので、事前情報として文脈や制約を加えることができ、毎回入力する必要がなくなります。

現在は無料版のChatGPT3.5でも利用できます。非常に便利な機能なので活用していきましょう。

後編では、ChatGPTを利用した業務効率化の具体例や、ChatGPTを利用する際の注意点などを解説します。

後編では、ChatGPTを利用した業務効率化の具体例や、ChatGPTを利用する際の注意点などを解説します。

セミナー講師

小山直人
インターネット・アカデミー株式会社
講師

イギリスのリーズ⼤学の修⼠号を持ち、マーケティングコンペティションでの⼊賞や、カンボジアの⼩学校での教師経験などを企業研修のインストラクションに活かし、受講者⽬線でわかりやすいWeb 専⾨⽤語の解説が⾼く評価されている。研修担当実績には、「ダイドードリンコ」「三菱ガス化学」「島精機製作所」など国内⼤⼿、⾮IT系の企業も多い。

【保有資格】

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