「初心者のためのLinuxセミナー」イベントレポート

2022/07/22
講演者:LPI日本支部 伊藤健二 / インターネット・アカデミー 金正煒
初心者のためのLinuxセミナーITサービスを支える
サーバーの役割を理解しよう

インターネット・アカデミーは、6/21(火)にLPIと共同でLinux初心者やこれからエンジニアを目指す方に向けたウェビナー「初心者のためのLinuxセミナー~ITサービスを支えるサーバーの役割を理解しよう~」を開催しました。

LPI日本支部の講演

本セミナー前半のセッションでは、LPI日本支部の伊藤 健二様より、Linuxの人材ニーズとLPI認定の最新情報について解説していただきました。 ここでは、講演の一部をご紹介します。

LPI(Linux Professional Institute)

講師
LPI日本支部
伊藤 健二様

1999年にカナダに設立された、世界共通基準でIT技術者のレベルを認定する国際的な非営利団体。Linux技術者の技術力の認定制度「LPIC」などを、ベンダーニュートラルな立場で公平かつ厳正に運営する。

Linuxとは

コンピュータのハードウェアを管理するOS(オペレーティングシステム)の一種。オープンソースのため、無償で開発・改変・再配布を誰でも簡単に行えるのが特徴。

Linuxの将来性~知識が求められる職種とは~

Linuxの将来性

Linuxなどオープンソースのスキルを持った人材の需要は、テクノロジー分野の成長に伴い、大きく伸び続けています。継続的に需要があり、人材系サービスの求人検索数をみても、関連求人が増えてきています。

一方で、オープンソースの求人報告書(※)によると、87%の人事担当者がオープンソースの才能を見つけるのは難しいと答えています。Linuxエンジニアの不足から、雇う側にとってLinux、オープンソースのスキルをもった人材を見つけるのは難しいのが現状です。

今Linuxの勉強をしておけば、将来的に良い求人にあたる可能性も高いと言えるでしょう。

(※)Dice & Linux Foundation2016 調査

Linuxの最新トピックス

2022年に入り、米国防総省がソフトウェア調達で「OSS」(*)を第一優先とする指針を、韓国政府がWindowsからLinuxへの全面移行を発表したりと、各国で動きがありました。

日本国内でも、経済産業省が「OSS(*)の利活用及びそのセキュリティ確保に向けた管理手法に関する事例集」を拡充・公開をし、民間企業の参考になる取り組み例を数多く載せています。

その他、AWS、Azure、Google Cloud等の主要クラウドでもLinuxの利用が加速し、ほとんどの利用がLinuxベースで行われています。例えば自動車業界でも、車載OSとしてLinuxの利用が主流になっていたり、宇宙業界においてもSpaceXのロケットの制御や、JAXA(宇宙航空研究開発機構)のシステムでLinuxが使われていたりと、引き続きLinux市場は成長する可能性が高いと言えるでしょう。

(*)Open Source Software

世界中でLinuxスキルの認定数が増加

世界中でLinuxスキルの認定数が増加

Linuxスキルを証明するための資格試験の認定者数は世界で約27万人おり、人口別でみると、特に北米やヨーロッパ、オーストラリア、日本で資格保持者が多いです。

LPIが提供する資格試験はこれまで約70万回開催されており、2022年6月現在10か国語に対応しています。今後更に2,3か国語増える予定です。

日本をはじめ世界でも特に有名な認定が、「LPIC」(Linux Professional Institute Certification)です。AWSやGoogle Cloud Platform データセンターエンジニアの採用基準(2020年、2021年採用)にLPIC取得を明記したことが話題になりました。最近は、LPICの入門資格として、初心者用に提供をはじめた「Linux Essential」も受験者が増えてきています。

LPICは世界中のエンジニアが共通の基準で認定されているため、スキルの証明としてキャリアアップの強力な武器になります。LPIの学習教材は、無料で提供しています。書籍も多く出版されていますので、興味のある方は是非参考にしてみてください。

インターネット・アカデミーの講演

後半は、インターネット・アカデミーのITコンサルタントである金正煒が、これからLinuxサーバーを勉強する初心者の方に向けに、ITサービスにおけるサーバーが担う役割についてとLinuxスキル学習のポイントを解説。実際のサーバー操作のデモンストレーションも行いました。

ここでは、講演の一部を紹介します。

セミナー講師

金正煒
インターネット・アカデミー ITコンサルタント

500社以上の企業のIT教育をコンサルティングした実績をもつ。
エコーネットコンソーシアムフォーラムやLPI日本支部共催セミナーでの関連技術についての講演を担当。 Oracle Certified Java Programmer Silver SE 8、Python3エンジニア認定基礎試験、PHP技術者認定資格など、多数のIT資格を保持。

ITサービスを支えるサーバーの役割

ITサービスを支えるサーバーの役割

普段私たちは、パソコンやスマホでWebサイトを見て、さまざまなサービスを利用しています。その中で、Linuxをはじめとするサーバーがどのような役割を担っているのか、ご紹介します。サーバーは、様々なデータやサービスを提供するコンピューターマシンを指し、いくつかの種類があります。

例えば、ECサイトで商品を検索するケースを考えてみましょう。私たちが使用するスマホやPCといった機器は「クライアント」と呼びます。そして、私たちがECサイトを閲覧するためにURLを入力したり、検索結果からアクセスするといった「リクエスト」を受けて、Webページのデータを「レスポンス」として返すのが「Webサーバー」です。さらにその先で、ECサイトの商品データや、お客様のアカウントのデータを保管しているのが「データベースサーバー」です。

ECサイトで商品名をクリックするとコンマ何秒の間に情報が表示されますね。この間には、クライアント側からWebサーバーへ、「このページの情報をください」というリクエストが発生し、データベースサーバー内のデータの検索や更新等を行った上で、レスポンスとしてデータがクライアントへ送信されて、私たちのPCやスマホでページが表示されるのです。凄まじいスピードで、データのやり取りが行われているのです。

ECサイトの他にも、

  • ビジネス支援ツール
  • マーケティングツール
  • 顧客管理システム

などがWebサービスの例として挙げられます。チャットのログ、アクセス解析データ、顧客情報などのデータは、データベースに保存されており、こちらでもリクエストとレスポンスが繰り返されています。

これらのサービスを支えているのがサーバーで、Linuxはその中でも高いシェアを誇っています。

サーバーの知識が必要になるのは?

次に、どういった職種、業務を担当されている方にサーバーの知識が有用なのか、ご紹介します

  1. サーバーエンジニア
  2. プログラマー
  3. マーケティング担当者
  4. プロジェクトマネージャー、ディレクター
  5. DX推進をしている企業の方
  6. 非IT職の方

例えばマーケティング担当者は、各種マーケティングツールの設定やSEOの施策で、サーバー知識が求められることがあります。エンジニア系はもちろんのこと、ビジネスリテラシーとしてサーバーの知識が幅広い職種で求められるケースが増えてきています。上記以外の職種の方にも、勉強する意義はあるでしょう。

クラウド時代で益々スキルが必要になっていますので、是非LPIの資格を取得をして世界で貢献できるようにしていただければと考えています。

インターネット・アカデミーでは、サーバー学習の事例も多くございます。LPICの資格に向けた講座もありますので、ぜひご検討ください。最大限サポートさせていただきます。

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