Pythonの環境構築
執筆者:南波真之
※本記事は吉政創成株式会社「Python学習とキャリアアップ」より寄稿されたコラムとなります。

皆さん、こんにちは。南波真之(なんばさねゆき)と申します。
私はエンジニアではない文系の人間ですが、Pythonの可能性やデータ分析を使った仕事に興味があります。
そこで、Pythonやデータ分析を勉強していく中で生まれた疑問について、自分が理解できるレベルまで落とし込んだ形で紹介していきます。
前回はPythonでよく使われるパッケージについて、学んできましたが、今回はPythonの環境構築について調べてみました。
私が勉強しているPythonによるあたらしいデータ分析の教科書(翔泳社)では、P16.〜P.25の部分になります。
サーバーサイドのプログラミングで、まずつまずくのは環境構築です。私も最初PHPを触ったときにLAMPの環境構築をするために数日かかってしまったという経験があります。
これは、Pythonでも同様で、Pythonを実行して結果を得るためには事前の環境準備が必要です。
Windowsの場合、Macの場合ともにPythonのサイトからダウンロード、インストールをする必要があります。
PCにPythonのインストール
Python公式サイトから最新版をダウンロードします。そして、インストーラーを実行してPCにPythonの最新版をインストールしていきます。
Macの場合には、予めPython2系と3系がプリインストールされているのですが最新バージョンではないため、Python公式サイトから最新版をダウンロード、インストールするほうが良いようです。執筆時の最新版はPython3.9.7でした。
Pythonのバージョンをコマンドプロンプト(Windows)、ターミナル(Mac)で確認してみます。
ターミナルでPythonを使ってみます。Python3.9とターミナル上で実行することで、先程インストールしたPython3.9が立ち上がります。
>>> の後に、Pythonを記述します。今回は、サンプルとしてjoinを使い文字列を'-'で連結させてみます。
Pythonを抜けるには、exit()コマンドを実行します。
Pythonの仮想環境venvの構築
次にPythonの仮想環境venvです。なぜ必要かというと以下のような状況が発生する可能性があるためです。
これは、Pythonでは1つの環境で1つのバージョンのパッケージしかインストールできないためです。これを防ぐためにプロジェクトごとに仮想環境を作成して、それぞれで必要なパッケージのバージョンを指定してインストールしていきましょう。
私はMacを使っているため、Macでvenvを利用して仮想環境を作成してみます。
まず、python3.9(ここは単にpython3でも可能)の次に、-mオプションをつけます。-mの後にはモジュールの名前を指定しますので、今回は、venvとなります。次に作成する環境名を決めます。今回は、venv-test001という名前にしました。
そしてlsコマンドを使い、作成したvenv-test001を確認してみると、3つのディレクトリと1つのファイル(pyvenv.cfg)が作られていることがわかります。
次に、/bin/の中にあるactivateスクリプトを実行しvenv環境を有効化するためにsourceコマンドを使ってvenv-test001/bin/activateを実行します。
※sourceコマンドは、ファイルに書かれたコマンドを現在のシェルで実行するためのLinuxコマンドです。
作成した仮想環境でPythonのバージョンを確認すると、私の場合は3.9.7でした。
仮想環境から抜けるには、deactivateコマンドを実行します。
かなり手間少なく仮想環境の構築ができました。
pipによるパッケージ管理
pipとは、Pythonの環境にデフォルトではないサードパーティパッケージをインストールするために使うコマンドです。The Python Package Index(PyPI)にあるパッケージがダウンロード、インストールできますので、まずはページを見てみてください。
例えば、NumPyやpandasもpipでインストールしていきます。
ちなみに、PyPIは、Pythonの開発コミュニティのPython Software Foundation(PSF)が運営しており、誰でも自由に自分のソフトウェアを登録して公開できます。
今回は、pipコマンドでNumPyパッケージをインストール、アンインストール、バージョン指定でのインストールをしてみます。
- pip install パッケージ名(パッケージ名のインストール)
- pip uninstall パッケージ名(パッケージ名のアンインストール)
- pip install パッケージ名==指定するバージョン(パッケージ名のバージョンを指定してのインストール)
コマンド1つでできました。
また、Anacondaという、データサイエンス向けの環境を提供するプラットフォームを使うこともあります。これは簡単にPythonの環境を構築できる方法で、このAnacondaを使うとパッケージ管理はpipではなくcondaになります。
pipで言うところのPyPIのように、Anaconda も独自にAnaconda用の公開サービスを用意しており、多くのソフトウェアが利用できるようになっています。
調べると、汎用的にPythonを学ぶならPyPI、データサイエンスなどに特化して、Pythonをツールとして使用するならAnacondaを使うという基準が1つあるようです。
仮想環境構築の理解とパッケージ管理の方法を習得
いかがでしたでしょうか。
今回は、Python実際に使うために利用する仮想環境とパッケージ管理について取り上げました。
Pythonとライブラリはバージョンの違いによってできる機能に差が出ることがあります。これは書籍で学習を進めているときもバージョンが異なるために想定通りの動きにならず時間を費やしてしまうという原因にもなりますので、覚えておきたいところです。
これから一緒に頑張っていきましょう。
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南波真之
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