エコーネットフォーラム講演レポート
講演者:インターネット・アカデミー株式会社 ITコンサルタント 金正煒

本記事は、2023/7/7にインターネット・アカデミーが「第19回エコーネットフォーラム」にて講演した「ECHONET IoT MASTER教育プログラム」の一部を紹介したものです。この記事では、ECHONET IoT MASTERの制度や教育プログラム、学習によって実現できることについて紹介します。
ECHONET IoT MASTERとは
「ECHONET IoT MASTER 」は、エコーネットコンソーシアムが認定するIoTの資格です。具体的にはIoTアプリの制御に使う「ECHONET Lite WebAPI」の知識についての資格になります。
まずは、ECHONET Liteについて説明します。
「ECHONET Lite」はIoT家電やスマートメーターなどをインターネット経由で制御するための共通の通信規格です。メーカーごとに使用されている規格が異なっていると、IoTアプリ開発の際に、各メーカーの仕様に対応させなければならず、開発コストが膨れ上がってしまいます。しかし、日本ではECHONET Liteという共通の規格が家電などに搭載されていますので、開発者はECHONET Liteの仕様にあわせて開発することができます。
ちなみに、ECHONET Liteの開発・普及活動をしているエコーネットコンソーシアムは、日本の大手家電メーカーや電力会社、通信会社などが参画しており、IoT家電やスマートメーター、スマートハウスの共通規格が実現しています。
話を戻しますと、2023年現在、日本には1億台を超えるECHONET Lite対応機器が出荷されていますが、一方でECHONET Liteを使ってアプリ開発ができる人材が不足しています。そこで、アプリ開発者が手軽にECHONET Liteを使って開発できるよう生み出されたのが「ECHONET Lite WebAPI」です。その名の通りWeb API経由でIoT機器の制御ができるようになります。
この「ECHONET Lite WebAPI」を広めていくために生まれたのが「ECHONET IoT MASTER」の資格です。
ECHONET IoT MASTERで学べること

ECHONET IoT MASTERの資格を取得するためには、インターネット・アカデミーのような認定教育機関で講習を受けたうえで試験に合格することで、エコーネットコンソーシアムより「ECHONET IoT MASTER」の認定を受けることができます。
インターネット・アカデミーは、エコーネットコンソーシアムの会員企業として、「ECHONET IoT MASTER教育プログラム」のカリキュラム開発や運営を行うワーキンググループに参画しています。今回は、このワーキンググループで開発されたカリキュラムについて紹介します。
このカリキュラムで具体的に学習できる内容は次のようなものになります。
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ECHONET Lite Web API
JavaScriptなどのプログラミング言語でIoT機器を制御するためのWebAPIを呼び出すことで、アプリからIoT機器を制御できるようになります。カリキュラムでは、このECHONET Lite Web APIの仕様を学習します。 -
IoT機器の制御
実際にJavaScriptでECHONET Lite Web APIを呼び出し、IoT機器を制御する方法を学習します。実際にエアコンや照明、スマートメーターなどにアクセスし、機器を動かしたり、機器のパラメーターを取得する演習も行います。
IoT機器制御の事例
カリキュラムのなかで実際に開発するIoTアプリについても紹介します。
このカリキュラムでは、PCやスマートフォンからエアコン、照明、スマートメーターを制御するコントローラーのアプリを開発します。このアプリでは、インターネット経由でエアコン、照明を操作でき、機器のON/OFFや温度設定などを行うことができます。
また、スマートメーターとも連動しています。スマートメーターには使用した電力のデータが蓄積されており、30分単での使用電力情報を取得することもできます。現在の使用されている電力量を測定し、使用電力が一定を超えると画面上にアラートを表示したり、エアコンの温度設定や風量設定を自動的に変更し、節電する機能を実装しています。
さらに、現在の気象情報を取得するAPIとも組み合わせており、東京の現在の気温が10度以下なら暖房にする」「20度以上なら冷房にする」など、特定の地域の気温に応じて自動的に設定変更する機能も搭載しています。

資格取得のメリット
ECHONET IoT MASTERの認定を受けると、エコーネットコンソーシアムが提供するさまざまなメリットが得られるようになります。
たとえば、ECHONET Lite Web APIを使用したアプリ開発のテストや検証に欠かせない「実験クラウド」などの各種支援ツールを利用できる、認定ロゴを名刺やご自身のWebサイトに使用できる、会員限定コミュニティやECHONET IoT MASTER認定者限定のイベントなどに参加することができるなどのメリットがあります。
少しでも興味がありましたら、お気軽にインターネット・アカデミーにお問い合わせいただければと思います。
セミナー講師

金正煒
インターネット・アカデミー ITコンサルタント
500社以上の企業のIT教育をコンサルティングした実績をもつ。
エコーネットコンソーシアムフォーラムやLPI日本支部共催セミナーでの関連技術についての講演を担当。
Oracle Certified Java Programmer Silver SE 8、Python3エンジニア認定基礎試験、PHP技術者認定資格など、多数のIT資格を保持。
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