通販向け物流会社のデータサイエンス研修
IoTや5G等の最新動向からAPIによるデータ活用まで
株式会社ベルメゾンロジスコ代表取締役社長 犬山直輝様
岐阜県にて、通信販売業界向け物流センターの企画・運営・管理を行う。大手カタログ通販『ベルメゾン』の商品を中心に年間約12万アイテムを取り扱い、一日最大20万点の商品を発送している。物流センターとしての規模は中部地区において最大級を誇る。
研修データ
- 研修内容
- ・ITリテラシー研修
・PythonのWebスクレイピング研修 - 受講者の職種・属性
- 既存社員50名(うち20名がWebスクレイピング研修に参加)
- 研修の目的
- データサイエンティストの育成を見据えた、物流を起点とする分析・サービス策定ができる人材育成
- 課題
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- EC事業者に対しカスタマーサクセスを最大化する提案ができる人材を育てたい
- 物流センターに蓄積される豊富なデータを十分に活用できていない
- コロナの影響と立地の関係によりオンラインで研修を実施したい
- 解決策
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- 物流業界に合わせたITリテラシー研修をカスタマイズ
- データの活用に向けてPythonのWebスクレイピング研修を実施
- Zoomにてライブ形式のオンライン研修を実現
- 効果
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- 従業員のIT知識の底上げができた
- データ活用に向けてAPIなどの理解が進んだ
- ITへの興味が深まり次に学ぶべきことが明確になった
岐阜県にて通販向け物流センターの運営を行う株式会社ベルメゾンロジスコは、大手カタログ通販『ベルメゾン』の商品を中心に、さまざまなEC事業者の物流を担っている。今回は一物流企業からビジネス転換を図るべく、インターネット・アカデミーに研修をご依頼いただいた。その経緯や感想を、代表取締役社長の犬山さまに伺った。
研修実施の経緯
提案力強化とデータ活用のためのデータサイエンス研修
― はじめに、御社の事業内容を教えていただけますでしょうか。
弊社は岐阜県にて、通販に特化した物流センターを運営しています。一日最大20万点の商品を発送できる機能を備えており、規模は中部地区において最大級です。株式会社千趣会様のカタログ通販『ベルメゾン』の商品を中心に、さまざまなEC事業者様の配送を担っています。
私たちの強みは、株主である株式会社千趣会様と住商グローバル・ロジスティクス株式会社様、両方の良さを併せ持っているところにあります。昨年60周年を迎えた千趣会様は長きに渡って通販事業に携わり、蓄積されたデータをもとにマーケティング活動をされています。また、住商グローバル・ロジスティクス様は、住友商事の物流部門が独立した会社であり、多くのリソースを持ち、長年お客様の物流部として機能してきました。両社から受け継いでいるものを活かして、単なる一物流会社ではなく、EC事業者様が困っていることに対してさまざまな提案をしていくことも私たちの仕事と考えています。
― 今回はどのような経緯で研修をご依頼いただいたのでしょうか。
課題としては大きく2点ありました。1点目は、お客様に最適な提案をするために、従業員のIT知識の底上げを図ることでした。私たちは物流のサービスプロバイダーではありますが、クライアントのEC事業者様は決してそれだけを求めているわけではありません。次はどのような販促を打つべきかなどWebマーケティングの悩みをお聞きし、必要な政策を話し合ったうえで、より効果的で包括的な物流面の提案をしていく必要があるのです。
2点目は、データの活用です。1000人近い従業員が働く物流センターはデータの宝庫です。今もデータを分析して活用していますが、さらなる業務改善に繋げていくには、例えば工数が多い要素を調べるなど多変量解析的なアプローチを強化しなければなりません。そのためには、データを解析できるデータサイエンティストが不可欠です。
こうした課題を解決するための最初のステップとして、インターネット・アカデミーに研修を依頼させていただきました。
インターネット・アカデミーを選んだ理由
オンラインでも対面と変わらない安心の質の高さ
― インターネット・アカデミーを研修先にお選びいただいた理由をお聞かせください。
インターネット・アカデミーを選んだ決め手は、豊富な研修実績とカスタマイズ性の高さです。最初は動画学習サービスなどを使って自主的に学んでもらうことも検討したのですが、社員によって知識にも意欲にも差がある中で、社員任せでは成果が出にくいだろうと考えました。そこで、研修事例が充実しているインターネット・アカデミーに興味を持ちました。
研修機関は2~3社ほどを比較しましたが、インターネット・アカデミーはこちらの要望を踏まえ、内容・期間含めてアレンジしていただけたことが良かったです。
― 実際に研修を受けてみていかがでしたか。
今回の研修は8日間で、最初の3日間は50名に対しITリテラシー研修と題して、物流に関わるネットワーク系のトピックを織り交ぜながら、IoTや5Gといった最新のIT技術の動向について教えていただきました。4日目からは人数を20名に厳選し、データ活用に向けたPythonのWebスクレイピング研修を行いました。
コロナの影響と弊社の立地が岐阜県ということもあり、オンライン会議ツールを使って遠隔リモートでの開催でしたが、特に研修の場合、大人数での双方向のコミュニケーションは難しさがあるのではと心配していました。しかし実際に受講してみると、講師の皆さんがオンラインでの研修に非常に慣れていて、これだけ大人数の研修にも関わらず、退屈することなく充実した講義をしてくださいました。例えば、ツールを使ったIoTのセッションは、少しお遊び感覚もあり非常に面白かったと従業員からとても好評でした。物流センターという施設にマッチする内容で研修プログラムを組んでくださり、物流業界で自動化の役割を果たすAPIの活用事例なども取り上げていただいたので、従業員も理解しやすかったようで良かったです。
研修の効果と今後
お客様にとって「なくてはならない物流のパートナー」を目指して
― 研修の効果はどのように感じていらっしゃいますか。
ITについて一般的な内容から幅広く教えていただき、データサイエンスやWebマーケティングのスキルを身に付けていくことに関して、より多くの社員が興味を持ってくれました。次に何を勉強すべきか、どこを深堀して学びたいかといったところも明確になってきています。物流の現場では研修内で触れたツールを使って「こんなことができるのではないか?」といったアイデアも出てきていて、手ごたえを感じています。
これを機に、今までIT・Web分野を食わず嫌いで避けてきたような社員にももっと学んでもらい、従業員全体の知識を底上げしていきたいですし、その中でより専門性を高める社員にはさらなる成長を期待しています。学んだことを業務で活かして、会社の成長に貢献してもらえたらと思います。
― 御社の今後のビジョンを教えてください。
今後のビジョンとしましては、パートナー企業と連携しながら、日ごとに変動する出荷量に対応できる設備や配送機能を充実させ、中部地区のEC事業者様やこれからECを始める方にとって、なくてはならないインフラ的な存在になっていきたいですね。
中長期的には、今回の研修の目的とも重なりますが、単なる物流の請負だけでなく、例えば「Webマーケティングによって売り上げを伸ばしたい」など、EC事業者様にとっての真のカスタマーサクセスを提供できる企業を目指しています。またそれと同時に、地元住民から愛される企業になりたいと思っています。私たちはパートアルバイトも含めて約1000名の現場作業者を抱えています。決して利益追求するだけでなく、従業員や取引先の方々に「この会社に入ってよかった」「ここにベルメゾンロジスコさんがあってよかった」と思ってもらえるような、地元に貢献できる良き企業市民でありたいですね。
― これからITを学ぶ方に向けてメッセージをお願いいたします。
従業員にもよく言っているのですが、人生100年時代と言われる今、学び始めるのに遅すぎるということはなく、学ぼうと思ったときがチャンスです。物を売る時代からサービスを売る時代へと変わりつつある中で商売をしていくには、データサイエンスの力で最適なマーケティングを仕掛けていかなければなりません。私のようにプログラミングとまったく関係のない人生を送ってきたとしても今から学ぶ意味は大いにありますし、皆のそうした取り組みが、日本が欧米や中国に負けないIT立国になっていくためにも重要なことであると思います。
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