東京大学の医学研究者たちがサーバー研修を受講。
ビッグデータを活用し、日本の医療の未来を築く

IT研修実績 東京大学大学院医学系研究科
東京大学大学院医学系研究科
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東京大学大学院医学系研究科ヘルスサービスリサーチ講座 特任助教 道端 伸明様

東京大学大学院医学系研究科では、ヘルスサービスリサーチ(※)という研究に力を入れている。患者への治療効果を評価する臨床疫学研究から、更には医療の質やコストなどを分析する研究を行う。当研究は、欧米では盛んに行われているが、日本では、まだ少ないのが現状だ。しかし、その中でも東京大学大学院医学系研究科は、日本に数か所しか存在しないヘルスサービスリサーチの研究機関として活動し、日本の医療サービスの発展に貢献している。

(※) 疾患の疫学や医薬品などの治療効果等に関する臨床疫学研究から、

  • 医療サービスの構造(structure)
  • プロセス(process)
  • アウトカム(outcome)
  • 医療の質評価
  • 医療経済分析
  • 医療サービス資源配分や財政分析

に至るまで幅広くカバーする学際的な研究領域である。

ヘルスサービスリサーチは公共健康医学(public health)の一分野でありつつ、臨床医学領域とも深い関わりがある。ヘルスサービスリサーチの研究対象のドメインは、患者個人、家族、医療施設、地域社会、国全体など広範にわたる。
(Lohr KN, Steinwachs DM. Health services research: an evolving definition of the field. Health Serv Res. 2002;37: 7-9)。

研修データ

研修内容
サーバー研修(5時間)
受講者数
研究室職員20名(サーバー知識レベル差あり)
研修の目的
ビッグデータを取り扱う研究室の研究員がデータベースのセキュリティ向上のためにサーバーを1から構築するための知識をつける
課題
  • ビッグデータを扱う上でのサーバー選定、運用業務、トラブルシューティングなどの知識が研究員にない
  • サーバー運用・管理についてのマニュアルやノウハウがない
解決策
  • ネットワークの構築、トラブルシューティング、システム運用業務を中心としたサーバー研修を実施
  • 実践レクチャーを含めたハンズオン形式の講義を実施
効果
  • VPS、AWSなどのコスト、セキュリティ対策が理解できた
  • サーバーの運用目的に応じた構築方法が理解できた

患者の治療データをビッグデータとして蓄積し、日本の医療の発展に活用するべく、東京大学大学院医学系研究科では、医療データベースを独自で構築しようとしている。今回、インターネット・アカデミーにサーバー研修を依頼してくださった、ヘルスサービスリサーチ講座特任助教の道端様に、その経緯や研修中の様子、今後の研究についてお話を伺った。

研修実施の経緯
研究員自身がサーバーを構築し、
独自の医療データベースを設計・開発

研究員自身がサーバーを構築し、独自の医療データベースを設計・開発

― 貴大学の事業内容を教えていただけますでしょうか。

東京大学ヘルスサービスリサーチ講座では、患者が医療機関を受診した際の会計情報などを基に、今後の治療方法を分析し、論文として発表しています。例えば、同じ疾病を抱えている患者の中でも、どんな背景を持った患者にどのような治療法が最も効果的だったのかをデータを基に分析するといった研究を行っています。

― 今回はどういった経緯でインターネット・アカデミーの研修をご依頼いただいたのでしょうか。

データベースのセキュリティ向上のために、サーバー構築の知識が必要不可欠だったからです。当研究室に所属する20名の研究員たちは、ビッグデータの解析や加工の経験はありますが、ビッグデータを格納するためのデータベースを1から構築するという経験はなく、その分野の知識が欠けていました。患者のデータを収集する際には、個人情報の取り扱いに十分気を付けなければなりません。データを集めるデータベースのセキュリティを上げるためには、自分たちの手でサーバー構築ができるようになる必要があると考え、それであればノウハウがある教育機関に研修を依頼しようという話になったのがきっかけでした。

サーバー研修について

インターネット・アカデミーを選んだ理由
迅速な対応と研修実績から見える
信用性が決め手

迅速な対応と研修実績から見える信用性が決め手

― インターネット・アカデミーを研修先にお選びいただいた理由をお聞かせください。

迅速な応対と信用性が決め手でした。とにかく早くサーバー構築の研修を行いたかったので、研修先の選定はインターネットで検索し、出てきた企業にお電話しました。インターネット・アカデミーは、電話で希望する研修内容をお伝えすると、すぐにカリキュラムの案を作って、返答してくださいました。また、研修実績を見ると、企業・大学などの研究機関のお客様も多かったため、信頼できると思い、インターネット・アカデミーに研修をお願いすることにしました。

― インターネット・アカデミーのサーバー研修はいかがでしたか。

サーバー研修に期待していたことは3つありました。勉強の仕方を知ること、サーバー構築の外注費を知ること、そして実際のエンジニアの方が構築する様子を知るという3点です。期待通り、それらすべての知識を研修の中で得ることができました。また、研修の回数を重ねていくうちに、より深い内容も解説に加えるなど、都度研修内容を講師の方が調整してくださったのが、とても良かったです。例えば、データ管理としてAWSのようなクラウドサーバーとオンプレミス(自社運用)サーバーのどちらがいいかなど、講師の方には具体的な相談もさせていただきました。講師の方がとても丁寧に相談に乗ってくださり、大変勉強になりました。

― 研修の効果はどのように感じていらっしゃいますか。

今回受講した20名の研究員は、医療分野に精通しており、サーバーに関する知識がある者もいれば、そうでない者もいました。しかし、今回の研修を経て、研究員全員がサーバーについての議論が出来るようになりました。研修講師の方に質問させていただく機会を多くいただいたので、その際に得た現場で使える知識を基に、現在は、よりよいデータベースの管理について話し合っています。

サーバー研修について

研修の効果と今後
日本中すべての診療情報を分析し、
医療の発展に貢献

日本中すべての診療情報を分析し、医療の発展に貢献

― 研修の今後についてのプランを教えてください。

よりよい研究を進めていくために、今後はPythonやSQLといったプログラミング言語の知識を深め、それらを活用しながらのデータベース管理にも力を注いでいきたいです。その時は、またインターネット・アカデミーに研修を依頼させていただきたいです。

Python研修について

― 今後のビジョンを教えてください。

日本中の様々な診療情報を収集し、データベースで一元管理していくような医療システムを構築したいと考えています。もしこれが実現できれば、例えば新型コロナウィルスに対する予防接種情報と今までの通院歴を紐づけておくことで、より詳細な患者情報を把握することができるようになります。海外ではすでにこの仕組みを導入している国もありますが、日本では、個人情報保護の問題もあり、ようやく進み出したばかりです。この課題を乗り越えるために、どのようにシステムを構築していくのか、今後も思考錯誤しながら、日本の医療サービスの未来を築いていけるよう、引き続き研究を進めていきます。

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