丸紅がトップラインの営業職を育成すべく
オリジナル伴走型デジタル人財育成研修を実施
丸紅株式会社
デジタル・イノベーション室 データアナリティクス課 課長 渋谷高史様
デジタル・イノベーション室 データアナリティクス課 マネージャー 田中光久様
丸紅株式会社は創業160年の日本を代表する大手総合商社である。「世の中のギャップを埋める永遠のパートナー」として、20世紀は地理的なギャップを貿易で、21世紀に入ってからは、将来的な価値と現在の価値のギャップを投資で埋めてきた。現在は生活産業、食料・アグリ・化学品、エネルギー・金属、電力・インフラ、社会産業・金融、CDIO(次世代事業)の6つのグループで幅広く事業に取り組んでいる。
研修データ
- 研修内容
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- 営業部門向け伴走型デジタル人財育成研修
- ローコードツールにて営業支援デジタル技術を学ぶ(Shopify、WordPress等も使用)
- 受講者
- 営業部門の社員
- 研修の目的
- BtoC向けの提案をする際に役に立つデジタルスキルの底上げ
- 課題
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- コンシューマー向けのITビジネスが増える中、ノーコード・ローコードでショッピングサイトなどのWebツールの構築がしたいというお客様へのサポートができるトップラインの営業を育成したい
- 解決策
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- Webツールの知見に詳しく、営業向けファシリテーションに対応できる内部講師が駐在するインターネット・アカデミーに研修を依頼
- 成果
-
- 営業部員のデジタルスキルが向上し、お客様のビジネスのサポートがしやすくなった
- ノーコードツールでWebシステムを簡単に構築できるようになった
丸紅は、グループ全体で新たなビジネスモデル創出を促し、丸紅の未来を創るべく、全社、全方位でDX変革を進めている。そのDX変革を担うデジタル・イノベーション室の渋谷さん、田中さんに、研修の目的と人育成の考え方についてお話を伺った。
研修実施の経緯
トップマネジメント層と営業も含め
全社、全方位でデジタル人財を育成したい
― 御社では、DX推進に関してどのような取り組みをされていますか?
総合商社である丸紅は、15の営業本部があり多岐にわたるビジネスを展開しています。そのすべての部署でデジタル化は必要ですので、2017年から全社のDX推進に着手し、現在はデジタル・イノベーション室として、主導・支援・育成においてどんな貢献ができるかを考えています。また、トップマネジメント層向けにDXに関する説明会も行っており、経営者・意思決定者にもDXの意識づけを行うプログラムを設けています。
― デジタル化に関する研修を行う目的はどのようなものでしょうか?
デジタル人財を深化・拡張していくことです。ビジネスナレッジだけでなく、データサイエンス・デザイン思考をも併せ持ったデジタル人財を育てていきたいという思いがあります。
― 研修実施の経緯と目的を教えてください。
丸紅には、『デジチャレ』というDX推進プログラムがあり、個人のデジタルスキルを深化させるための人財育成を進めています。その一環として今回インターネット・アカデミーに依頼をしたのが、営業部員向けのデジタル研修です。コンシューマー向けのITビジネスが増える中、ノーコード・ローコードで自社のショッピングサイト構築など、デジタルを活用したいというお客様が増えており、それをサポートできる営業部員を育成することが目的でした。
- デジチャレとは
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2020年度からスタートした『デジチャレ~丸紅技術実践プログラム~』は、個人のデジタルスキルを深化させることを目的としています。 デジタルを「理論的に分かる」ことから「具体的・技術的に分かること」へ深化させること、そして「理論×実践」の掛け合わせで自ら手を動かし理解を深めるための研修を行っています。
インターネット・アカデミーにご依頼いただいた研修は、実際のお客様のサイトを構築するという実践的なプログラムで、講師がサポートをしながら実施いたしました。
― 御社におけるDXとは何でしょうか?
デジタル技術の活用により、価値創造サイクルを深化・高速化させ、2030年に向けた長期的な企業価値向上を追求することです。社会・顧客との課題に向き合うこと、脱プロダクトアウト、新たなビジネスモデルの創出といった全方位的な取り組みです。会社全体としてデジタル技術を生かし、一つひとつの組織がDXを意識しながら、丸紅というプラットフォームを強く大きく飛躍させるという発想で動いています。
― 御社にも優秀なデータサイエンティストがいらっしゃると思うのですが、外部に研修を依頼する理由は何でしょうか?
社員教育する知識を豊富に持つ彼らの本業は、営業部へのDXコンサルティングです。そのため、研修に関しては、プロの講師の方に依頼し、 研修の枠組み作りや受講者がPythonなど一般的なプログラミング言語のコーディングを体験できる機会の創出などを行っていただこうと判断しました。
当社の独自色を出すために、実際のビジネス課題のデータを加え、 そのデータに対してどのようなアプローチをして分析するか、AI・機械学習に関する技術を用いどのようなアウトプットが出せるかを受講者に競わせるなど工夫をしています。 実際のビジネスの場面では受講者自らの問題設定が必要になってきますので、受講者自身に頭を使って考えさせます。実際のビジネス課題の実装やコンペで闘っていくためのコーディングに関しては、当社内のデータサイエンティストが随時受講者にアドバイスし、受講者各自がコンペのための成果物を作っていきます。
― 営業職の方にデジタル技術が必要だと考えるのはなぜですか?
デジタルの時代になり、当社のビジネスがBtoBから、BtoCやBtoBtoCというコンシューマービジネスに変わってきて、顧客課題をいかに引き出すかが重要なポイントになってきました。 プロモーションやマーケティング活動では、アプリやオンラインショッピングサイトが消費者との窓口になり、問い合わせも増えてニーズの高まりを感じているからです。
その課題解決のために、外部に数百万円の費用を払ったり、営業部員がデジタル技術やオンラインショッピングサイト制作は難しいという印象を持ってしまうのではなく、 彼ら自身が知識を持ち、対応できることが必要だと感じました。そこで、ノーコードツールともいえるShopifyを選び、研修を行いました。
インターネット・アカデミーを選んだ理由
社内インストラクターとカスタマイズできる
デジタル時代にマッチしたカリキュラム
― 他の研修会社との取引があった中で、インターネット・アカデミーを選ばれた理由を教えてください。
ShopifyやWordPressを使ったオンラインショッピングサイト構築の研修が可能なうえ、内部講師であることと、カスタマイズ可能で軌道修正が柔軟にしていただけそうということが選定要因になりました。 最終的に2社で迷ったタイミングで、御社の新宿オフィスに伺った際に、講師の方が若く爽やかで勢いを感じたことも魅力のひとつです。また、営業の方の対応が早く、希望予算への対応など、説明も丁寧でコミュニケーションが取りやすかったことも大きかったです。
実際に、研修期間中にコロナ感染者が増えた際、オンラインからオフラインへの切り変えがスムーズで、フレキシブルに対応いただきました。研修課題で作成したオンラインショッピングサイトの質も良く、全員が完走することができました。
― デジタル人財育成の研修には何が必要だとお考えでしょうか?
座学で講義を受けるだけではなく、実際に受講者自らが手にとって実践することです。今回の研修においては、Shopifyでランディングページ作成に挑戦し、実際に作ることができた、 というところまで経験させることを意識しました。自分の手で触れないと、デジタルのコツもつかめないと思っています。
デジタル技術を活用していくこと、デジタル人財を強化していくことは、当社のDX戦略の中枢です。今回のShopifyは一般的な内容で、ハンズオンのデジタルスキルを身に付けることができました。研修では、頭で理解し、作ったものを使うことができ、体に落とし込むようになることを重視しています。
たとえば、研修後にオフィスアワーという、この時間帯はいつでも誰でも質問していいですよ、という時間を設けました。 その時間があったからこそ、全員が完走できる研修になったのではないかと考えています。
研修の成果と今後
デジタル技術やWebツール開発は難しいという印象からの脱却
― 今回の研修の受講者はどのような方々だったのでしょうか?
受講者の多くは、コードも書いたことがないほぼ未経験者で、若手から50歳以上まで幅広くいました。若い層の方がとっつきは良いように感じたのですが、最終的には年齢に関係なくゴールに到達したので、差はなかったと感じています。
― 今回の研修のゴールはどのようなことでしょうか?
Shopifyでショッピングサイトを構築できるところまで経験するということです。当社は海外でのビジネスも多いので、可能性が高く手に取りやすいものとしてShopifyが魅力的だったということです。このゴールはすべての受講者がクリアしましたし、クオリティの高いショッピングサイトを作った受講者もいます。これは嬉しい驚きでした。今回は初級でしたので、中級や上級では、WordPressやコーディング系の言語も入ってくると考えています。
― 研修を通して感じられたことや、今後についてのお考えを教えてください。
フィードバックをみると、今後ベンダーマネジメントを行いたいなど、すでに次のステップに興味が向いている受講者がいることが、今後の研修に繋がっていく成果だと思っています。
インターネット・アカデミーには、研修全体を通して改善点をつぶしながらフレキシブルに動いていただき、満足度が高いものになり感謝しています。
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